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ミュージックバードで新番組がスタート『ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music』

2016/12/19
衛星デジタル音楽放送ミュージックバードで、2017年1月からスタートする番組「ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music」と連動したコラム。音にこだわるオーディオ・ファン、ハイレゾに初トライしてみたいクラシック・ファンのために、「ハイレゾ女子」として活躍する音楽ライター・原典子が、e-onkyo musicから選りすぐりのタイトルをご紹介します。
文◎原典子
第1回:違い歴然!ハイレゾで聴きたい名曲名盤

 「ミュージックバード」という高音質衛星デジタル音楽放送をご存じだろうか? FMやインターネットラジオを上回る高音質で、音楽に特化した本格派の番組を楽しむことができるとあって、クラシックやジャズを中心としたコアな音楽ファンや、音質にこだわりを持つオーディオ・ファンから絶大な信頼を得ている(聴取には専用チューナーとアンテナが必要)。
 さて、このミュージックバードで2017年1月より、私が案内と選曲を担当する『ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music』なる新番組がスタートする。その名の通り、e-onkyo musicで配信されているクラシックのハイレゾ音源をたっぷりご紹介する番組で、毎月テーマを決めてお届けしていく予定。1月は「違い歴然! ハイレゾで聴きたい名曲名盤」というテーマのもと、不朽の名盤として名高い歴史的録音や、ハイレゾで聴くとよりいっそう素晴らしさが際立つアルバムを中心に取り上げている。


■耳タコのアルバムこそハイレゾで

 音楽ファンなら誰にでも、擦り切れるまで聴いたレコードや、何度も繰り返し聴いて身体に染み込んでいるようなアルバムがあることだろう。そんなアルバムを、これまでとは異なるメディアや再生機器で聴くと、細かい部分の音質の違いまではっきりと分かるものである。私がはじめて「ハイレゾってすごい!」と感激したアルバムは、サンソン・フランソワとアンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団による『ラヴェル:ピアノ協奏曲、左手のためのピアノ協奏曲』。半世紀以上前の録音なのに、この鮮やかさはなんだろう。ピアニストと指揮者の火花が飛び散るような丁々発止のやり取り、夢見るような美しい抒情……すべてがフルカラーで「生きた音楽」として聴き手に迫ってくる。

 クラシックの名盤といったらこれ、というような超定番のアルバムも、もう一度ハイレゾで聴いてみてほしい。たとえばカルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルによる『ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、第7番』やイ・ムジチ合奏団による『ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」ほか』など。今まで気づかなかった音が聞こえたり、見えなかった景色が広がるかもしれない。


サンソン・フランソワ(P)アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団
『ラヴェル:ピアノ協奏曲、左手のためのピアノ協奏曲』





カルロス・クライバー指揮 ウィーン・フィル
『ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、第7番』





イ・ムジチ合奏団
『ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」』







■感覚に訴えかけてくる音色

 ハイレゾで聴いてはじめて「この楽器はこんな音色なんだ!」と驚くことがある。今回ご紹介したアルバムのなかでとくに印象的だったのが、気鋭の若手チェンバロ奏者ジャン・ロンドーの『VERTIGO~ラモー、ロワイエ:クラヴサン作品集』。チェンバロとは、かくも表情豊かでドラマティックな楽器だったのか。エモーショナルな歌に満ち、低音の響きが陰影を生み出している。まさに「濡羽色」と言うべき艶のある音色は、これまでのチェンバロに対するイメージを変えてしまうほどの衝撃だった。
 また、小川典子が新譜『サティ:ピアノ独奏曲全集第1集』の録音で用いた1890年製のエラール・ピアノの音色も忘れられない。インテリアやファッション業界では「シャビー」という言葉を「古びて味わい深い」という意味で用いるが、サティの時代のピアノの音色を聴いたとき、この言葉が浮かんだ。ほかに、清水靖晃&サキソフォネッツの『ゴルトベルク・ヴァリエーションズ』における、アナログ・シンセのごとく変幻自在なサックスの音色も特筆ものだ。
 音色というのは、たとえば人に会ったときの第一印象や、布に手を触れたときの肌触りと同じく、感覚に訴えかけてくるものである。ハイレゾならではの音色の楽しみを、ぜひ味わっていただければと思う。


ジャン・ロンドー(Cemb)
『VERTIGO~ラモー、ロワイエ:クラヴサン作品集』





小川典子(P)
『サティ:ピアノ独奏曲全集第1集』





清水靖晃&サキソフォネッツ
『ゴルトベルク・ヴァリエーションズ』







<交響・管弦楽曲編>

カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
『ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、第7番』

録音:1974・75・76年





小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ
『奇跡のニューヨーク・ライヴ~ブラームス:交響曲第1番』

録音:2010年





アンドレア・バッティストーニ指揮カルロ・フェリーチェ歌劇場管弦楽団&合唱団
『イタリア・オペラ管弦楽・合唱名曲集』

録音:2014年





<協奏曲編>

サンソン・フランソワ(p)アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団
『ラヴェル:ピアノ協奏曲、左手のためのピアノ協奏曲』

録音:1959年





ペーター・レーゼル(p)ヘルムート・ブラニー指揮ドレスデン国立歌劇場室内管弦楽団
『モーツァルト:ピアノ協奏曲集5~ピアノ協奏曲第12番・第13番・第14番』

録音:2015年





ヒラリー・ハーン(vn)ジェフリー・カヘイン指揮ロサンゼルス室内管弦楽団、他
『J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲集』

録音:2002・2003年





<ピアノ編>

マウリツィオ・ポリーニ(p)
『ショパン:12の練習曲 op.10、op.25』

録音:2002・2003年





反田恭平(p)
『リスト』

録音:2015年





小川典子(p)
『サティ:ピアノ独奏曲全集第1集』

録音:2015年





<弦楽器編>

アラベラ・美歩・シュタインバッハー(vn)ロベルト・クーレック(p)
『フランク、R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ集』

録音:2012年





UNAMAS STRINGS QUINTET
『シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」(弦楽五重奏曲編曲版)』

録音:2015年





溝口肇チェロクインテット
『Cello Bouquet~チェロ・ブーケ』

録音:2013年





<さまざまな楽器編>

清水靖晃&サキソフォネッツ
『ゴルトベルク・ヴァリエーションズ』

録音:2014年





塚谷水無子、菅哲也(org)
『天上のオルガン~バロック音楽を中心にパイプオルガンと
ポジティフオルガンで聴く大ホールと礼拝堂の響き』

録音:2013年





村治佳織(g)山下一史指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
『ロドリーゴ:アランフェス協奏曲 他』





<声楽編>

マリア・カラス(S)
『PURE「ピュア」』

録音:1953~64年





ヨナス・カウフマン(T)アントニオ・パッパーノ指揮ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団、他
『ジ・エイジ・オブ・プッチーニ』

録音:2007・2008・2010年





トゥーネ・ビアンカ・スパッレ・ダール指揮スコラ・ カントールム
『聖母讃歌~アヴェ・マリア』

録音:2011年





<古楽・古楽器編>

エンリコ・オノフリ(vn)
『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番、パルティータ第2番、第3番』

録音:2014年





ジャン・ロンドー(hc)
『VERTIGO~ラモー、ロワイエ:クラヴサン作品集』

録音:2015年





フェリックス・アーヨ(vn)イ・ムジチ合奏団
『ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」、ヴァイオリン協奏曲「恋人」』

録音:1957、58、59年






【バックナンバー】
<第1回> 違い歴然!ハイレゾで聴きたい名曲名盤
<第2回> ポスト・クラシカルが止まらない!




※衛星デジタル音楽放送ミュージックバード 121ch THE CLASSICにて放送!
新番組「ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music」【24bit放送】
(月~金)15:00~18:00 リピートあり、1月2日(月)スタート
出演:原典子
◆ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music 番組ウェブ・サイト

※ミュージックバードとは
音楽にこだわる人の高音質衛星デジタル音楽放送です。
本格派クラシック、ジャズをはじめ、歌謡・演歌、ロック、J-POPなど、 音楽ジャンルごとに専門チャンネルを放送。いい音にこだわる オーディオ・ファンのためのチャンネル「THE AUDIO」も絶賛放送中!多彩なジャンルを50ch 月額2,000円 (税別)から。
お問合せは、
ミュージックバード カスタマーセンター TEL 03-3221-9000
<平日・日・祝日>10:00~12:00、13:00~18:00 (※土曜休業)
オフィシャル・ウェブサイト


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出演者:原典子(はら・のりこ)
音楽に関する雑誌や本の編集者・ライター。上智大学文学部新聞学科卒業。音楽之友社『レコード芸術』編集部、音楽出版社『CDジャーナル』副編集長を経て、現在はフリーランス。『intoxicate』『CDジャーナル』など音楽雑誌への執筆のほか、坂本龍一監修の音楽全集『commmons: schola』の編集を担当。鎌倉で子育てをしながら、「レゾナンス<鎌倉のひびき>コンサートシリーズ」の企画にも携わる。
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