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【インタビュー】スターダスト☆レビューのベスト盤とバラード集4作品のリマスターがハイレゾで配信スタート!

2016/09/21
デビュー35周年を迎えたスターダスト☆レビュー。その人気ベスト・アルバム『Best Wishes』と『STARS』、さらにバラード集『Love Songs』と『Love SongsⅡ』を加えた4タイトルが最新リマスターによるハイレゾで届けられることに! 早速、リマスタリングを担当したミキサーズラボの田中龍一さんに、ハイレゾのメリットや今回の音作りのポイントなど伺いました。聞き手は、スタレビを初期の頃から追い続けてきたライター/編集者の藤本真さんです。

インタビュー・文◎藤本 真 撮影◎山本 昇

ベスト・アルバム『Best Wishes』
/スターダスト☆レビュー

ベスト・アルバム『STARS』
/スターダスト☆レビュー



バラード集『Love Songs』
/スターダスト☆レビュー

バラード集『Love Songs II』
/スターダスト☆レビュー



■ ハイレゾで甦るヒット曲「夢伝説」の衝撃!

 ダ・ダ・ダ・ダ・・・と特徴的なシンセ・ベース音が刻まれる。おそらく、そのドラマチックなイントロを聴いただけでも、スターダスト☆レビューのファンの多くは、個々さまざまな思いを呼び起こすに違いない。ぼく自身、これまで何度も心を揺らしてきたドラマチックな楽曲。
 イントロに、根本要の神ボーカルがグッと乗っていく。これまでよりもどこか豊かな表情で、歌声がこの楽曲の世界を描いていく。

 南青山にあるミキサーズラボのスタジオで、ハイレゾ配信に向けて、マスタリング・エンジニアの田中龍一さんがリマスターを終えたばかりのスターダスト☆レビューの作品のなかから、「夢伝説」を聴かせてもらった。
「基本は要さんのボーカルを立たせたかった。あとは、多少オケのゴージャス感でハイレゾ的な部分を出せればいいと思っていました」
 今回の作業における基本的な考え方を田中さんはそう語っていた。もちろん、最高の音響設備を備えるエンジニアのワークスペースで聴く音は素晴らしい。その上で、以前の音源と聴き比べさせていただき、今回のマスタリングの肝にもなっている「メイン・ボーカル」が、より身近に聴こえてくるのを感じることができた。大まかな印象で言えば、抜けのいい音のなかで、根本要が一歩前に出て歌っている感じ、根本要の顔がよりくっきり見えてくる感じというか。

 数年前からよく耳にするようになった「ハイレゾ」が、どんなものなのかこれまで聴く機会もなかったが、こうしてじっくりそのサウンドに向き合うと、リマスタリングの効果もあるのだろうが、ひとつひとつの音が持つ役割も感じることができて、「夢伝説」の世界にうっとり入り込んでしまう。

 ところで、1984年5月25日にスターダスト☆レビューの4枚目のシングルとして発売された「夢伝説」。その曲を初めて聴いたのは、まだリリースが決まる前、当時は「赤い糸の伝説」というタイトルで披露された中規模のホールでのライブ演奏だった。

 多彩な音楽性を備え、バンドとしての評価も高かった彼らがデビューしたのは1981年5月。以降、期待されていたほど作品の売り上げが伸びず、サードアルバムの制作も思うように進まなかった83年の終りか、84年の頭の頃だったか、ライブでこの楽曲を聴いて、(ぼくが言うのもなんだが)彼らの世界がいよいよ動き始める気がした。
 それくらい、ガツンと印象の強い楽曲だった。実際、カルピスのCM曲にも決まり、シングル曲として世に出てから、それまでで最高の、確か40位くらいまでチャートを伸ばし、ライブの動員も増えていった。

 もちろん個人的には、まだライブハウスで歌っていた頃に知った初期のスタレビの楽曲にはどれも思い入れがあるし、愛しい。でも、「夢伝説」は「いい曲だなあ!」とかじゃなく、「なんだこれ!」みたいな衝撃があった。ステージで演奏するスタレビがいつもより大きく見えたのだ。

 改めて思う。今や35年の活動歴を持つ長寿バンド、スターダスト☆レビュー。「夢伝説」以降も、数々チャートに昇る名曲を生み出しているが、それでもこの「夢伝説」は、彼らの歴史のなかでも相当大きな意味を持つ楽曲に違いないだろうと。

 前置きが長くなってしまった。

 さて、バンドとしての山も谷も越えながら、デビューから35年を経た今も、毎年60〜70公演ものツアーで全国を巡り、その間37枚ものアルバム(ベスト盤やライブ盤も含む)を発表してきたスターダスト☆レビュー。そんな彼らの作品のなかから、『Best Wishes』(1990年)、『Love Songs』(1994年)、『STARS』(2000年)、『Love SongsⅡ』(2002年)の4作品が最新リマスタリングでUHQCD(Ultimate HiQuarity CD)として発売、同時にe-onkyo musicからハイレゾ配信も開始された。
 このリイシューにあたって、全作品のマスタリングを担当したエンジニアが冒頭でも触れた田中龍一さんだ。

〈マスタリング・エンジニアの田中龍一さん。スターダスト☆レビューは、過去に『Love Songs』のオリジナルや2002年にリリースされた一連のリマスターも担当している。「今回のリマスタリングでは、高域のキラキラ感、そしてサビに至るまでの盛り上がり感は向上しているんじゃないかと思います」〉

■ 担当エンジニアが語るハイレゾ・リマスターの聴きどころ

--今回はハイレゾ配信を考慮してのリマスターということになるんですよね。

田中 そうです。基本的にはCDのマスタリングと変わらないんですが、ハイレゾになりますと、例えれば、(音源を入れる)器が大きいというのがあります。そこにCDと同じように入れると、器の大きさが意味をなさないという部分がありますので、その器の違いを考えて作業をするわけです。今回のハイレゾの器は96khz/24bit、CDの器は44.1kHz/16bit。帯域でいえば通常のCDの約2倍、音の解像度も16bitと24bitでは記録できる量にかなりの違いが出てきます。簡単に言えば、聴こえる音の周波数の高さと、音圧の繊細な部分を出せるようになるので、それを活かしていくいということになります。

--CDで聴こえなかった音がハイレゾで聴こえる、みたいなことがあるんでしょうか?

田中 “聴こえる聴こえない”というのは個人差があるのでなんとも言えないんですが、基本的にはCDでは出てなかった周波数帯が出るようになる、と。ただ、高い周波数は出ても、人には聴こえないはずの帯域なので、どちらかというと雰囲気が伝わってくるという感じだと思いますね。

--一般にハイレゾのメリットが大きいジャンルとそうでないジャンルがあるようですが、スターダスト☆レビューというのはどうでしょう?

田中 スタレビは生の音を使ってることが多いと思うんです。ワーナー時代は打ち込みもけっこうあるんですが、生音が多い音楽は、わりとハイレゾには向いているのかなと思います。アカペラなんかもハイレゾでは印象が変わると思いますよ。

--マスタリングという行程は、最終的な音のまとめ役。それを担当するエンジニアの嗜好も出てくると思います。

田中 そうですね。ぼくの場合は、基本的には抜けのいい音が好きです。ほかのエンジニアと比べると、ローに関してはそれほど前には出さないかな。ボーカルがメインで高音域の抜けがしっかりしているというのが、ぼくのマスタリングの傾向だと思います。ただ、マスタリングってやはりある程度客観的に聴く必要がある。このスタジオで聴いていると大きい音、気持ちいいんですよね。特に自分の好みの音とかになると、ノリノリでガンガンくる音に仕上げようとしちゃいがちなんですが、あとでBGM的に聴いてみると、やけにうるさいという場合もありますから(笑)。なので、ある程度、どんな環境で聴いても、それなりにいい音に聴けるという、ちょっと客観的な感じでマスタリングするというのはありますね。

--田中さんはエンジニアとしては長く活躍されてますが、ハイレゾ配信についてはどういうお考えをお持ちですか?

田中 音楽を聴く手段が増えたということはいいことだと思います。それこそハイレゾは、スタジオ録音レベルの音になりますので、(オーディオ環境によっては)それを一般のユーザーが体感できるというのも素晴らしい。ただ、ぼくは、必ずしも「ハイレゾだからいい」とは限らないと思うんです。もちろんハイレゾの方がスペック的にはいいんです。帯域の広さや、音のエッジの表現力とかも優れています。でも、ガツガツのロックみたいな場合なんかは、コンプレッサーを効かせてガッツリと音圧が前に出るというような楽曲もあって、そういうケースではCDの方がいいという場合もあるんです。だからあくまでもぼくのハイレゾに対する考え方は、“リスナーの方に聴いてもらえる手段が増えた”と。ハイレゾもCDも、それぞれを楽しんでもらえればいいなと思うんですよね。



 今回リイシューされた4作品は、多くのファンに愛聴され続けてきたベストアルバムと、バラード集。まさに活動歴の長い彼らのさまざまな時代と、その時代その時代を彼らの音楽とともに過ごした人たちの記憶が、収録曲に刻まれている。それらの楽曲の数々が最新リマスターを経て、改めて世に出ることになったのだ。
 この取材でリマスターされた楽曲を全て聴かせてもらったわけではないが、ワーナー時代からスターダスト☆レビューをよく知るエンジニアの田中さんが「ハイレゾ」という表現力の高いスペックを想定して、彼らの音楽の魅力を再表現した音に耳を凝らせば、新たな感動を抱く人は多いだろう。

〈今回のリマスタリングで使用したアナログ・マスターテープ。小さいリールがシングルで、大きい方はアルバムのもの。中央に見える「夢伝説」は、「マスタリングでもけっこう音が変わっていますね」と田中さん〉

〈U-matic素材の音源は44.1kHz/16bitからのアップコンバートだが、一旦アナログに変換してから96kHz/24bitでデジタルに戻すことにより、「音が前に出てくる感じ」(田中さん)が得られているという〉

〈田中さんがマスタリングで使用するモニターは10年上の付き合いになるというGENELECのパワード・スピーカー1037B(外側)と1031A〉

〈アナログ・マスターテープからのリマスターで、再生機として使用したSTUDER A820。こうした機材をいい状態で保つためのメンテナンスも、クオリティの高いマスタリングには欠かせない条件となる〉

〈モニター用のDAコンバーターとして、またアップコンバートのAD変換でも使用されたANTELOPEのAD/DAコンバーターEclipse 384〉

〈「ハイレゾのマスタリングは、CDに比べて音圧を抑えめにしてなるべくダイナミック・レンジが感じられるように心がけるなど、メディアとしての器の大きさを活かすようにしています」〉


【ライブ情報】
スターダスト☆レビューは2017年4月まで続くライブ・ツアー「STARDUST REVUE 35th Anniversary Tour“スタ☆レビ”」を敢行中!

2016年
10月 1日(土)  茨城県  茨城県立県民文化センター
10月 10日(月祝)群馬県  太田市新田文化会館 エアリスホール
10月 15日(土) 長野県  塩尻市文化会館 レザンホール
10月 16日(日) 長野県  長野市芸術館 メインホール
10月 23日(日) 三重県  三重県文化会館 中ホール
10月 30日(日) 福島県  郡山市民文化センター
11月 3日(木祝)島根県  島根県民会館
11月 5日(土) 広島県  上野学園ホール
11月 6日(日) 山口県  山口市民会館
11月 12日(土) 岩手県  盛岡市民文化ホール 大ホール
11月 13日(日) 青森県  ふるさと交流圏民センター「オルテンシア」コンサートホール
11月 19日(土) 埼玉県  羽生市産業文化ホール
11月 23日(水祝)鹿児島県 コミュニティセンター志布志市文化会館
11月 27日(日) 福岡県  サザンクス筑後 大ホール
12月 3日(土) 静岡県  静岡市民文化会館 中ホール
12月 4日(日) 岐阜県  バロー文化ホール 大ホール【多治見市文化会館】
12月 10日(土) 京都府  ロームシアター京都
12月 11日(日) 兵庫県  神戸国際会館こくさいホール
12月 17日(土) 千葉県  千葉県文化会館 大ホール
12月 18日(日) 東京都  秋川キララホール
12月 23日(金祝)高知県  高知県立県民文化ホール
12月 24日(土) 香川県  サンポートホール高松 大ホール

2017年
1月 7日(土) 和歌山県 和歌山市民会館
1月 8日(日) 奈良県  なら100年会館 大ホール
1月 14日(土) 佐賀県  佐賀市文化会館 大ホール
1月 15日(日) 鹿児島県 宝山ホール【鹿児島県文化センター】
1月 21日(土) 宮崎県  宮崎市民文化ホール
1月 22日(日) 大分県  大分iichikoグランシアタ
1月 28日(土) 埼玉県  熊谷文化創造館さくらめいと
1月 29日(日) 神奈川県 藤沢市民会館 大ホール
2月 5日(日) 東京都  かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
2月 25日(土) 徳島県  阿南市市民会館
2月 26日(日) 愛媛県  西予市宇和文化会館
3月 3日(金) 北海道  旭川市民文化会館 大ホール
3月 4日(土) 北海道  わくわくホリデーホール【札幌市民ホール】
4月 1日(土) 沖縄県  沖縄コンベンション劇場
4月 22日(土) 東京都  中野サンプラザホール
4月 23日(日) 東京都  中野サンプラザホール
… and more ※2017年4月まで約80公演を予定。詳細は公式ホームページをご覧ください。