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20周年を迎えた岡本真夜がピアニストmayoとしてデビュー! 最新作『always love you』が早くもハイレゾで配信開始

2016/03/04
シンガー・ソングライターとして輝かしいキャリアを誇る岡本真夜さんが、全曲インストとなる『always love you』を発表しました。名義を“mayo”にして臨んだピアノ・アルバムには、彼女のどんな思いが込められているのでしょうか。ここで早速、彼女へのインタビューをお届けしましょう。お相手は、雑誌『キーボード・マガジン』元編集長・大山哲司さんです。

取材・文◎大山哲司 撮影◎山本 昇

『always love you』
/mayo


 「TOMORROW」などのヒット曲で知られる岡本真夜がデビュー20周年を迎え、新たに新人ピアニストmayoとしてデビュー・アルバム『always love you』をリリースした。全曲ピアノを中心としたインスト・ナンバーで、5年前から書きためてきたというピアノ曲に加え、ヒット曲「TOMORROW」のセルフカバーも収録されている。いずれもメロディアスでポップなインスト・ナンバーで、癒しと元気がもらえるピアノ・サウンドが堪能できる。チェロとのアンサンブルが印象的なタイトル・ナンバー「always love you」は7月上旬公開予定の映画『夢二〜ほとばしり』のテーマ曲に決定している。

■ いろんな思いを自由に重ねて聴けるのがインストの醍醐味

-- なぜピアニストとしてアルバムをリリースしようと思われたんですか?

mayo シンガー・ソングライター岡本真夜を20年間やってきたんですが、小さい頃はピアニストになりたかったんです。当時はクラシックを弾いていたので、漠然とクラシックのピアニストになりたかった。でも高校1年生の時にピアノよりも歌が好きになってしまい、急に方向転換したんです。歌手になっても弾き語りをすればピアノにさわれるから、両方できていいかなといった気持ちでした。でも、5年ぐらい前から、自分の底に眠っていた“ピアニストになりたい”、“ピアノでインストを演奏したい”という気持ちがどんどん強くなってきたんです。その頃から、ボーカル曲と並行してピアノ曲も作りも始めて、歌のステージでも1〜2曲披露させていただいたりしていました。技術的にはまだまだ自信がなかったので、夢に向かって先生につきたいなと思っていたんですが、2年ぐらい前に先生を見つけてレッスンを始めました。デビューはまだまだ先の話だと思っていたんですが、今回レコード会社さんからお話をいただき、試練が待っているのは覚悟した上で、ピアニストとしてデビューしようと思ったんです。この機会を逃したら、いつまたお声がけいただけるか分からないので(笑)。

-- 小さい頃はどんなピアノ曲が好きだったんですか?

mayo ショパンが一番好きで、たまにリストも好きで弾いていました。

-- 再びピアノの曲をやろうと思われてから好きになったのは?

mayo 学生の頃に西村由紀江さんやジョージ・ウィンストンが好きになって、その後もそのお二人の音楽はずっと聴いてきています。最近お知り合いになった作曲家でピアニストの天平さんも好きで、昨日もお会いしてピアノの話をしていました。あと中村由利子さんもすごく好きですね。メロディがしっかりしたものが好きなんです。

-- 今回はどんなピアノ・アルバムにしようと作り始められたんですか?

mayo 歌を作る時も同じなんですが、覚えやすいメロディということを大事にしていて、ピアノでもすっと心に入っていけるようなメロディを作って残したいと思っています。リスナーのみなさんの心に寄り添えるようなメロディや空間……そういうものを表現していけたらいいですね。インストの醍醐味というのは、歌詞がないぶん、いろいろな思いを自由に重ねて聴けるところだと思っていますので、皆さんにもそういう聴き方をしていただけたらいいなと思っています。
  例えば、「空」は前向きな気持ちになれる曲だと思いますし、「key of heart」は私が一人で抱えている、誰にも言えない思いをメロディに託した曲です。音楽って、言葉にできない気持ちを分かち合える部分がありますよね。そして「TOMORROW」は歌として浸透している楽曲なので、今回のピアノ版でも同様に、聴いてくださる皆さんが元気になれるようなアレンジにしたいと思いました。

-- 各曲のタイトルは、先にイメージしている言葉があるのか、曲ができてから付けるのかというと?

mayo ケース・バイ・ケースで両方あります。自分の中では作っている時に何となくイメージが固まっていたりするので、歌詞を書けと言われればたぶんどの曲も書けると思うんですよ。歌詞を乗せても歌える曲と歌えない曲がありますけどね。そのイメージをひと言でタイトルに託している感じです。でも聴いてもらうぶんにはタイトルにとらわれずに、自分の思いを自由に重ねて聴いてほしいと思います。

-- ピアノの曲を作るときは、譜面などでキッチリと作り込みますか? それともある程度即興を生かしているのでしょうか?

mayo 譜面は苦手で書けないので、曲を覚えて弾くという感じですね。ちょっと自信がない部分は、自分だけが分かるようなメモを書いたりしています。歌を作る時は楽器を一切使わずに、鼻歌で作って録音しておき、それをパズルのように組み合わせて頭の中で作り上げてしまうんですけど、ピアノ曲に関してはピアノの前に座って鍵盤に触らないと作れないんです。

■ 中~低音域が楽器の中で響き合う心地良さをハイレゾで

 アルバムは群馬県高崎市のTAGO STUDIOでレコーディングされた。お気に入りのピアノがあったからだという。リバーブを使わず、スタジオの残響だけで録音されたというピアノの音色は華やかかつ柔らかく、そして温かい。mayoの紡ぎ出す音楽になくてはならない要素なのだと思う。ハイレゾはこうしたピアノ・サウンドや空気感を、よりダイレクトにリスナーに届けてくれるのではないだろうか?

-- ピアノの音色についてこだわっている点はありますか?

mayo 音色についてはやはりピアノ独特のキラキラ感を大事にしたいと思っていて、聴いている人が心地良くなれたらいいなと思っています。

-- レコーディングではどんなピアノを使われたんですか?

mayo イタリアのファツィオリ(FAZIOLI)というメーカーのピアノを使いました。音色にすごく惹かれたんです。そのファツィオリが置いてあるスタジオが群馬にあって、レコーディングの前にも1日借り切って弾かせてもらったりしていたんです。レコーディングするならそこでぜひやりたいなと思っていました。

-- 森俊之さんが編曲でクレジットされていますが、ご自身との役割分担は?

mayo 森さんは歌の方でデビュー初期に何回か一緒にアルバムを作ったことがあるんです。私は森さんのピアノのセンスがすごく好きで、自分がピアノのアルバムを作る時は森さんに手伝ってほしいなと思っていました。基本は自分が作ったものを聴いていただいて、例えばここをこうしてみようかとか、ちょっと色を添えてもらう感じで、二人で話し合いながら作りました。今回は曲によって、伊藤ハルトシさんにチェロやギターを弾いていただいていますが、そのへんのアレンジは森さんと伊藤さんに考えていただきました。あと、岡本真夜さんにも参加していただいてコーラスを入れたりとか(笑)。

-- ハイレゾでリリースすることで、どんな部分が伝わるといいと思われますか?

mayo レコーディングなどでピアノを弾いている時は、直接楽器から音が聞こえてくるわけですよね。そのような生で聴いている深みが再現できるといいなと思います。特に中音域から低音域が楽器の中で響き合っているような音を目の前で聴く心地良さ。ピアノ自体が生かされているような響きがすごく好きなので、そのへんがもっと再現されるといいですね。奥行き感なども普通のCDとは違うでしょうから、そういったところも味わってもらえるといいのかなと思います。

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 4月から6月にかけて、全国8ヵ所でピアノ・コンサート(mayo Piano Concert JAPAN TOUR 2016 ~always love you~)が行われる予定だ。さらに技術を磨いてもっといろいろなピアノ音楽に挑戦したいというmayo。ピアニストmayoの活動は、恐らく20周年を迎えたシンガー・ソングライター岡本真夜の歌にもきっと影響を与えるはずだ。これからの二人(!?)の活動からは目が離せない。

〈今回のピアノ曲も歌も、私は音楽理論にはこだわらず、どちらかというと感覚のままに音楽を作ってきました。これからもオンリーワンの世界観を目指していきたいと思っています。皆さんの思いや気持ちを、そこに重ねて聴いていただけると嬉しいですね。〉