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“どこにいたって聞こえる”-- メロキュア、10年振りのNEWアルバム『メロディック・スーパー・ハード・キュア』がハイレゾで登場!

2015/10/02

『メロディック・スーパー・ハード・キュア』
/メロキュア



『フルーツバスケット』などのアニメ作品や、堀江由衣など声優への楽曲を数多く手がけてきたアーティスト、岡崎律子。自身のソロ活動のみならず、『〈物語〉シリーズ』などへの楽曲提供でもおなじみとなっているmeg rockこと日向めぐみ。この二人のシンガーソングライターによる、いまや伝説とさえなっているユニットが、メロキュアだ。
2人のヴォーカリストによって生み出される美しいハーモニーや、稀代のコンポーザーである岡崎律子が紡ぎ上げた心震わせる至高のメロディは、ユニット誕生当時から大いに注目を集め、10年以上たったいまでも変わらず高い人気を保ち続けている。
そんなメロキュアが、10年振りとなるNEWアルバム『メロディック・スーパー・ハード・キュア』をリリースした。収録曲としては、これまで発表された全楽曲をリマスタリングしたものに加え、クラムボンのミトやkz(livetune)、末光篤、西脇辰弥などメロキュアを愛する多数のプロミュージシャンがリアレンジを手がけた曲や、岡崎律子が堀江由衣らに提供した楽曲のカヴァー、そして日向めぐみ名義での新曲など、2枚組全28曲という、充実した内容をもつ。まさに、メロキュアの集大成と呼んでもいい、ファン必聴のスペシャルアルバムに仕上がっているのだ。
その『メロディック・スーパー・ハード・キュア』、CDアルバムに続いて、このたび96kHz/24bitハイレゾ版が、e-onkyo musicからリリース(10/2より独占先行配信)されることになったという。そこで、日向めぐみさんと、彼女の主宰するレーベル「honeyboot records」のディレクター、菅原拓氏をお招きし、『メロディック・スーパー・ハード・キュア』ハイレゾ版の魅力について、オーディオ&ヴィジュアル・ライターの野村ケンジ氏が様々な角度から質問を投げかけた。

インタビュー◎野村ケンジ


──ついに『メロディック・スーパー・ハード・キュア』のハイレゾ版が配信開始となります。メロキュア作品のハイレゾ化はファンやリスナーの方から長らく切望されていました。今回のハイレゾ音源はどのような経緯で配信されることになったのでしょうか?

日向「実は、ハイレゾ版でのリリースは当初予定されていませんでした。CDリリースの際、取材の現場やリリースイベントの会場などで皆さんから「ハイレゾ化希望!」の声をたくさんいただいて急遽、配信が決定した次第です」

──実際にご自身の作品のハイレゾ版をお聴きになられてどのように感じられましたか?

日向「初めて聴いた時、まず音の立体感が印象的でした。それぞれの場所がすごくくっきりするというか。アルバムの1曲目に収録されている「Pop Step Jump!」のイントロのドラムからもう、ライヴのときみたいな臨場感で」

──情報量の違いが音質に表れ、再現性が高いのがハイレゾの大きな特徴となります。また再生する環境によって音のニュアンスの変化が顕著ですね。

日向「その部分は大きいですね。ヘッドフォンや再生機器の組み合わせを変えると、華やかさや透明感が増したりして、音が変化していく感じが面白いです。ひとつの音楽でいろいろと楽しめるんだなあって感じました」

──さて今作『メロディック・スーパー・ハード・キュア』は2枚組でリリースされています。disc1には2000年代前半の音源、disc2には主に新録音など最新の音源が収録されています。この異なる時期の音源がどのような過程を経てハイレゾ化されたのかをお伺いします。まずはdisc1についてですが、当時の音源はどのように録音されたものだったのでしょうか?

日向「世間的にもちょうど(スタジオの録音がPCM-3348から)Pro Toolsへ切り替わるか切り替わらないかくらいの過渡期で、メロキュアでは最初のシングルからもうPro Toolsを使用してはいるのですが、マスターも楽曲やエンジニアさんによって、デジタルのものとアナログマスターが混在していて」

菅原「Pro Toolsを単にレコーダーとして使う、またはPro Toolsの中でミックスまで完結される2種類のエンジニアがいらっしゃいました。メロキュアでも、そのいずれかのパターンだったのですが、48kHz/24bitのマルチトラックで録音を行っており、その音源を2chにミックスした、デジタルデータ、もしくは、状態の良いアナログ・ハーフインチが残っていました。そのため、今回のようなハイレゾ化がスムーズに行えたという経緯があります」

──なるほど、当時から来るべきハイレゾ化を見据えたかのごとく、高水準の録音を行っていたのですね。ベストな状態のアナログ・マスターが残っていて良かったです。ではその音源はどのようなプロセスを経て、ハイレゾ化されたのでしょうか?

菅原「当時の音源を最新の技術を使用してハイレゾ化、といったイメージですね。デジタルデータ、および、ハーフインチのアナログテープで残された音源を、デジタル、アナログ、両方のシステムを活用して、マスタリングを行いました」

──そしてdisc2は新しく録音された曲を中心に収録されています。最新の機材を使用して録音されたものかと思われますが、こちらはいかがだったのでしょうか?

菅原「こちらは最新DAWを活用したマルチトラックのデジタルデータのなかに、当時のマルチトラックデータから抜き出した岡崎さんのヴォーカルやコーラスを入れ込んでミックスし、新たなアレンジの楽曲へと作り上げています」

──disc1とdisc2では音の鮮度感や雰囲気があきらかに異なっていて興味深いです。

菅原「disc1の当時のスタジオ技術で伝統的な手法により録音されたサウンド、disc2の最新のデジタル技術で録音されたサウンド、といったイメージでしょうか。それぞれのサウンドの違いを聴き比べていただけると、さらに楽しんでいただけると思います」

──さて今作の『メロディック・スーパー・ハード・キュア』をどのように聴いてほしいと考えてらっしゃいますか?

日向「メロキュア的には、ヘッドフォンならではのお楽しみ、というところもずっと意識していて。T/D(トラック・ダウン)のときも、”耳”でも確認しよう、ってよく話していて」

──ヘッドフォンで音を聴くことを日向さんは“耳”で聴く、と仰られてますよね。

日向「ええ、ちょっとしたクセで、つい(笑) そういうと、リーダー(岡崎律子さん)から“じゃあ今まで何で聴いていたの?”ともれなく突っ込まれるのですが(笑)実は、メロキュアは“耳”のなかで、わたしとりっちゃんの立ち位置も決まっていて。あれ、ステージでの立ち位置と逆?と思われるかもしれませんが、実は自分たちから見た立ち位置だったりして」

──ちょうどお客さんから見た位置と逆、お二人がステージから見た立ち位置が表現されているということですね。ハイレゾになることでこの音の定位が明瞭に表れてきます。

日向「初めてハイレゾを聴いたとき、そこに驚きました。声もそうですし、楽器などの位置が立体的にくっきりとわかって面白かったです」

──音の定位や奥行きの表現に、あらためてエンジニアってスゴい!と感じますね。

日向「T/Dのときに、エンジニアさんの席で聴いてみる?って聴かせてもらえたりするんですが、_コンソールの前に座って聴くと「何だ!?この立体感は!」ってなるんです(笑) ハイレゾはその感じに近いですね」

──今のハイレゾ・プレイヤーは現場の空気感もそのまま再生できる表現力を備えています。

菅原「ハイレゾは隙間のディテールもちゃんと残るから、前後感などもわかるのでしょうね」

──今回の取材では、実際にポータブルオーディオ好きがどんな環境でハイレゾ音源を楽しんでいるか、ちょっと知っていただくべく、いくつかの製品で音を聴いていただきましたが、いかがでしたか?

日向「製品によって、かなり印象が変わってくるのに、驚きました。音の好き好きは人によってそれぞれあると思うので、メロキュアを聴いていただくときも、皆さんの気持ちいい感じで、好みの音、アガる音で楽しんでいただけたりしたら、うれしいです」

──皆さんが好きなように聴いてほしいと。

日向「いろいろと試して、自分の好みの音を見つける過程もすごく楽しそうですよね!このあいだインストア・イベントをしたときなどにも、いろいろな方から「受験のときに聴いていた」とか「就職活動のときに聴いていた」なんておっしゃっていただいて、多感な時期から、人生の大切な節目のときにもメロキュアをそばに置いてくださってることが本当にうれしくて。先ほどもお話ししてた、"耳" を意識した音作りも、たとえば皆さんが、通学時や通勤時などの移動中に聴いてくださるような、パーソナルなシチュエーションを想定していたり。そんな風に日常の中で聴いてもらえる音楽であることが、メロキュアにとって何よりの喜びなんです」

──多感な時期のまま大人になってしまった人もいっぱいいる気がしますが(笑)

日向「(笑)そういう方たちが、大人になったいま、ハイレゾ“沼”にハマったりして、楽しんでいらっしゃるのかもですね。女子的にはポータブルな再生機器はコンパクトな方がいい気もしつつ、プラモデルみたいに、アンプを使ったりケーブル替えてみたり、カスタマイズでひと手間加えて、より自分好みにしたくなる感じもすごくわかります」

──男は合体ロボット大好きですからね~(笑) ただ、あくまで音楽の楽しみを引き出す機械であって、それをどう引き出すかがポイントではあります。特にヘッドホンは、とてもパーソナルな環境だということもあって、自分好みの音に作り上げやすいですし、同時に、音楽に集中しやすい傾向もあります。

日向「そうですね、私もヘッドフォンはとても主観的なアイテムだな、という印象を持っていて、音楽の世界に深くのめり込めるというか、入り込めるというか。それがとっても楽しいですよね」

──花澤香菜さんの作品も“ヘッドフォン推奨”と銘打っていますが、近頃はそういった作品がいくつか登場しているように思います。メロキュアは、まさに先駆者! 時代が追いついてきた感じでしょうか(笑)

日向「ふふふ、そんなかっこいい感じになれてたらいいんですけど(笑)」

──今回の『メロディック・スーパー・ハード・キュア』ハイレゾ版は、ポータブルプレーヤーなどシンプルな機器ではまとまりがよく、心地好いサウンドが印象的に感じられます。いっぽうで、高級ポータブルプレーヤーや本格派のピュアオーディオシステムで聴いてみると、情報量の多さが際立つようになってきて、今度はいかにまとまりよく、解像度を落とさず再生するかが課題となってくるように感じます。特に低域は、ソリッドに、かつ切れよく再生しなければならない。なかなかにハードルが高い部分もあるな、と感じました。楽曲の素晴らしさはもちろん、そういった側面からも、今回リリースされた楽曲はハイレゾのリファレンス曲として、大いに評判を呼びそうですね。ちなみに、日向さんご自身はハイレゾに対してご興味やご関心はございますか?

日向「ありまくりです!今回のハイレゾ化でますます興味が深まりました!今回のアルバムとライヴにも参加してくださっているクラムボンのミトさんがこの方面には詳しい方なので、いつもいろいろと教えていただいています。ヘッドフォンや機器の組み合わせの違いで音が随分と変わってくるのもすごく面白くて、私自身、ちょっとした”沼”に入り込みつつあります(笑)。ハイレゾ前提で考えていくと、きっと今後の自分の音楽制作における手法もどんどん変わっていくのだろうなあ、お楽しみがまた増えるなあってわくわくしてます。」

──“沼”へようこそ(笑) ミトさんはハイレゾに関して大変深い知識をお持ちの方なので、周りにそのような先輩がいらして心強いかと思われます。では最後に、このインタビューをご覧になられている皆さんにメッセージをお願いいたします。

日向「いつもメロキュアを愛してくださっている皆さんも、このハイレゾがきっかけで興味を持ってくださった皆さんも、“メロディック・スーパー・ハイ・レゾリューション・ハード・キュア”しちゃえたりしたらうれしいです」

──じっくりと楽しんでほしいですね。

日向「ぜひ、いろいろな”耳”で(笑)聴いていただきたいですね!」

メロキュア profile


二人のシンガーソングライター 岡崎律子と meg rock こと日向めぐみによるヴォーカルユニット。ユニット名「メロキュア」は「メロディック・ハード・キュア」 (メロディアスな荒療治)の省略形。
2002年TVアニメ『円盤皇女ワるきゅーレ』オープニングテーマ「愛しいかけら」でデビュー。2003年に発売した2ndシングル『ストラトス・フォー』オープニングテーマ「1st Priority」は「アニメ主題歌としては異例のヒット」とYahoo!ニュースのトップを飾った。続けて、『円盤皇女ワるきゅーレ 十二月の夜想曲』オープニングテーマ「めぐり逢い」を発表。2004年3月に ファーストアルバム「メロディック・ハード・キュア」をリリース。ふたりの卓越したソングライティング、コーラスワークは高い評価を受け、アルバムもヒットを記録。その後、未発表だった「ホーム&アウェイ」をアニメ『奥さまは魔法少女』主題歌としてリリース。あれから10年が経った今も“ふたりのせかい”は、輝きを放ち続けている。

野村ケンジ profile


ヘッドホンからホームシアター、カーオーディオ、ヴィンテージオーディオまで、幅広いジャンルをフォローするオーディオビジュアル・ライター。オーディオ専門誌からモノ誌、WEB情報サイトまで、様々なメディアで執筆を行っている。最近、力を入れているジャンルはポータブルオーディオ系。毎年300機種以上のヘッドホンを試聴し続けているほか、常に20~30製品を個人所有している。いっぽうで、アニソンのハイレゾ配信に関しても深い関わり合いを持ち、とあるアニソンレーベルではスーパーバイザーを務めるなど、幅広い活躍を行っている。

『メロディック・スーパー・ハード・キュア』
〈収録曲〉
【disc 1】
01. Pop Step Jump !
02. 1st Priority
03. めぐり逢い
04. 「虹を見た」
05. 木枯らしの舗道を 花の咲く春を
06. 向日葵
07. Agapē
08. birthday girl
09. 愛しいかけら
10. Sunday Sundae
11. ふたりのせかい
12. ALL IN ALL
13. rainbow kind of feeling
14. So far, so near
15. しあわせ
16. ホーム&アウェイ



【disc 2】
01. 1st Priority [メロキュア meets 末光篤 a.k.a. SUEMITSU & THE SUEMITH]
02. Agapē [メロキュア meets ミト & kz]
03. ホーム&アウェイ [メロキュア meets 西脇辰弥 again]
04. ふたりのせかい [メロキュア meets 川口圭太]
05. Agapē [水の惑星 version]
06. So far, so near [acoustic version]
07. Agapē [switched edition]
08. 笑顔の連鎖/日向めぐみ
09. ボクのキモチ/日向めぐみ
10. 夏の向こう側/日向めぐみ
11. ちいさなうた/日向めぐみ
12. my favoritz/日向めぐみ

メロキュア アルバム『メロディック・スーパー・ハード・キュア』特設サイト
メロキュア公式サイト
岡崎律子 ホームページ
meg rock(日向めぐみ) ホームページ