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チェンバロ奏者・有橋淑和がフューチャーされた五木田岳彦の新作がニューリリース!

2015/03/20


『Painting with Cembalo (チェンバロ小品集)』(96, 192kHz/24bit、2.8, 5.6MHz/1bit)
/五木田岳彦 feat. 有橋淑和


チェンバロ奏者・有橋淑和をフューチャーした、新しいオリジナル作品がハイレゾ音源として初めて登場します。作曲、プロデュースは年末にNHK「おはよう日本」で話題となった「森の詩」の作曲家、五木田岳彦。

西洋古典楽器の代名詞であるチェンバロが、4つの異なる世界観の作品の中に登場する、とても興味深い作品です。

有橋淑和さんというと、その美しい容姿からテレビや雑誌にも登場していますが、その多彩な演奏スタイルで、多くのチェンバロファンを楽しませてくれている実力派チェンバロ奏者です。バッハなどのバロック作品の演奏はもちろんですが、映画「ゴジラ」シリーズを手がけた作曲家・伊福部昭氏が有橋さんのために編曲した作品や、日本民謡など、バロック音楽という従来のチェンバロの枠を飛び越えた演奏も行い、楽器の可能性を広げています。
また、あのディズニーランドのエレクトリックパレードの音楽として知られているチェンバロのための作品「バロック・ホーダウン」を世界で最初にCDレコーディングした奏者でもあります。

今回レコーディングに使用した楽器は伝統的なアコースティック・チェンバロではなく、エレクトリック・チェンバロを選択したそうです。(有橋さん所有のものです)
エレクトリック・チェンバロとは、ギターでいうと、エレクトリックギターに似ています。アクションや仕組みは従来のチェンバロと同じように弦を引っ掻く原理なので、演奏方法はアコースティックチェンバロと一緒です。音は、アコースティック•チェンバロよりも、かなり迫力のある音を奏でることができます。

この作品はチェンバロとソロ•バイオリン、ガットギター、ピアノやプログラミングされたコンピュータなどと絡み合う、独創的なチェンバロ作品に仕上がっているのですが、それぞれの作品を、有橋淑和さんは素晴らしい感性とテクニックで演奏されています。有橋淑和さんの演奏の魅力は、演奏技術だけでなく、音楽作品への深い造詣や古楽器への愛情の深さからも、滲み出てきます。

そんな有橋さんから、楽曲についてとても興味深いお話をお伺いしました。

「Painting with Cembaloの作品たちは、どの曲もバロック的な演奏方法で演奏できる作品だと感じました。和声的にも近現代ではなく、聴きやすさをも追求している作品ですね。チェンバロ奏者として特に感じたのは、この作品は五木田さんが作品スタイルや演奏手法も16世紀、17世紀の手法を意識して作られたのだということです。
古学的な奏法やアーテキュレーションなどを当時の演奏方法を基本にして演奏することが要求された作品になっていますし、モチーフや形式なども古典楽器の時代の世界観を意識されたのだと思います。ですので、チェンバロ奏者としての奏法やタッチなど、古楽器の時代と同様の解釈で演奏することが可能でした。
それは、ピアニストが電子チェンバロを弾くのではなく、チェンバロ奏者が古楽器の演奏方法や解釈でこの作品を演奏することが必然の楽曲なのだと感じました。きっとピアニストが演奏したら、まったく違う印象の作品になっていたのかもしれません。

作品の世界観も、あえて16世紀、17世紀のイメージで作曲されたように感じますし、そのことから、チェンバロ奏者の持つ古楽器独特な演奏テクニックに乗っ取った作品が生まれたのだと思います。
それはまるで、現代の宮廷音楽のようにも感じました。この作品は、そういう豪華さや繊細さ、煌びやかな世界と洗練された世界が重なり合った芸術作品だと思います。また音楽から、様々な視覚的なイメージ、映像美を意識させられる音楽です。言葉で表現するのは難しいのですが、美術的な芸術を感じさせられる音楽作品だなと感じ、とても心地よく演奏を楽しめました。」
有橋淑和
【五木田岳彦氏の楽曲解説】

「チェンバロのための作品制作は、以前よりとてもやりたかった企画の1つです。
バロックのイメージの強い楽器ですが、実はロックの世界でも、その音色は多く使用されています。ただ、私の中では、やはりバロック的な美しさは高く、その時代のイメージをベースに、少しその世界から離れた作品なども彼女のイメージと重ね合わせて作曲しました。
チェンバロの醍醐味の1つは、そのシャープな刻み音です。リズム的な要素は、ピアノよりも鋭く表現できると感じています。それでいて、幻想的な音色でメロディアスな旋律を奏でると、他の楽器にはない妖艶な魅力を持った楽器だと思います。ピアノが当たり前の時代でも、チェンバロの音色に多くの人が魅了されるのは、そんなところからなのかもしれません。素晴らしい芸術楽器ですね。

今回はそんなチェンバロをフューチャリングした作品4曲をまとめてみました。簡単な楽曲解説をさせていただきます。

■Track 01 September Moon

バロック的な要素を意識した作品です。チェンバロの他に、ピアノ、バイオリン、ストリングス、ベースなどで構成されています。
チェンバロの反復的な16部音符の刻みが、落ち着いた時間軸を奏でる中に、官能的なソロバイオリンが歌います。途中、旋律パートがバイオリンからチェンバロ、そしてピアノなどに入れ替わったりしながら、ABAフォームで作品全体が構成されています。

■Track 02 Intersection

この作品は複合拍子(Multi Meter)で書かれている作品です。曲のあるセクションは、全ての楽器は4/4拍子で演奏する中、チェンバロは3/4拍子で演奏します。その微妙なずれが、交差点を行き来する人や車の動きをイメージしています。交差点という場所は、信号が変わると一定の方向に違った時間軸で移動を開始しますが、その速度はまちまちです。しかし、信号が赤信号に変わるころには、なんとなくきれいに収まっていきます。そんなイメージと現代社会の慌ただしさなどを、音楽的には比較的わかりやすい表現方法で作曲してみました。

■Track 03 La Mar

スペイン語で海というタイトルが、この作品のイメージです。
チェンバロの演奏をフラメンコギターの音色とバイオリンが、異国情緒漂う不思議な世界へと誘ってゆきます。ゆったりとしたテンポの中で繰り返されるモチーフは、どこへ行くという訳でもない静寂な渚の心地よさと寂しさが映し出されています。また、バロックといえばオーナメンテーション(装飾音)の多彩な解釈ですが、この楽曲にも数カ所登場します。この部分の演奏解釈は古楽器の専門家である有橋さんの解釈を取り入れることで、よりチェンバロらしい作品になったと思います。

■Track 04 Carnival

私が住んでいたボストンに近いケープコッドの海岸や、フロリダのキーウエスト、またニューヨークのロングアイランドなどの海岸で見かけた期間限定で設営される移動遊園地がイメージです。若きトム•ハンクスが主演のハリウッド映画「ビッグ」にも登場するのですが、かなり古い映画なので、あまりピンとこないかもしませんね。夜の海岸に怪しく光り輝く回転木馬やメリーゴーランド、様々な色のテントが作り出す景観は、とても魅惑的でいながら、少し怖さを感じる不思議な世界でした。

色とりどりな世界観を持つ4曲が収録されたチェンバロによる絵画集、Painting with Cembaloを是非DSD5.6他、ハイレゾ音源でお楽しみ下さい。」

有橋淑和 Sumina Arihashi (Cembalo) profile




桐朋学園女子高校音楽科ピアノ専攻卒業、桐朋学園大学演奏学科古楽器科チェンバロ専攻入学、同大学卒業後、同大学研究科修、数々のコンクールに入賞。 国内外のワークショップ参加や、コンサート活動を行う。
ソロ、アンサンブルで演奏活動を行う一方、ジャズやDJ、琴など多方面とのコラボレーションにより、クラシックの分野のみならず、クラシカルクロスオーバーの分野でも活動の場を広げる。
テレビ・ラジオ出演(『題名のない音楽会』等)、雑誌コラムの連載などの経験も持つ。
デビューCD「Cembalo Revolution~petite romance(キングレコードインタ―ショナル)」は、あらゆる方面のTV、雑誌からも取り上げられ、高い評価を受け、同作品はその後ドイツのレーベル、ハンスラークラシックより再リリースされ、世界デビューとなる。

五木田岳彦 Takehiko Gokita, Ph.D. (作曲家、音楽プロデューサー、TimeArtEntertainment (代表)




ハーバード大学作曲科卒業、博士号取得。ハーバード大学にて作曲、音楽理論の教鞭を取る。多くの作品を全米各地で発表。ボストン・シンフォニーホール、ニューヨーク・リンカーン・センター、アスペン国際音楽祭などで初演された作品はニューヨーク?タイムズなどの音楽評論家に「想像的な耳」、「独創的な音楽」と評価を得る。作曲家としての活動と平行して、レコーディングの世界でも、様々な経歴を持つ。中でもボストン交響楽団やシカゴ交響楽団などの作品で多数のグラミー録音賞を受賞しているレコーディング・エンジニアのジョン・ニュートンとのプロジェクトでは、音楽プロデューサーとして作品制作に携わる。日本では、NHK「映像の戦後60年」、NHK「赤い翼シルクロードシリーズ」他、数多くのNHKスペシャルのテーマ音楽、NHKクローズアップ現代テーマ曲などを作曲。また妖怪人間ベムやデジタルモンスター等のアニメ作品のオリジナルサウンドトラック作曲など、幅広い活動をしている。テーマ曲を担当したNHK大型スペシャル「激流中国」は世界で最も権威のあるイタリア賞を受賞したほか、モンテカルロ、モナコなど、世界五大メジャー・コンクールで最優秀賞を受賞し、ヨーロッパ各地、また中国でテーマ曲が注目される。また、自然の音と音楽を融合した作品「森の詩」は、NHK ニュース「おはよう日本」で、フィールドレコーディングやスタジオなど、制作現場が紹介され、大きな話題となった。

TimeArt Entertainment HP: http://5roku.com/timeart