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”ザ・ハイレゾクラシックコンサートシリーズ”第一弾アーティスト、ヴァイオリニスト石川綾子さんインタビュー

2014/11/15
完全ハイレゾ録音オリジナルコンサート音源をお届けするタートルミュージックの”ザ・ハイレゾクラシックコンサートシリーズ”第一弾がいよいよ配信スタート!第一弾は、2014年9月24日、銀座ヤマハホールにて行われた、石川綾子ヴァイオリンコンサート「Let It Go」東京公演の様子を、ハイレゾスペック192kHz/24bitにて収録した作品です。石川綾子さんご本人にお話を伺いました!

『THE Hi-Res CLASSIC CONCERT AYAKO ISHIKAWA』
/石川綾子



―2014年11月12日「THE Hi-Res CLASSIC CONCERT」がいよいよ配信されますね、おめでとうございます。こちらは、9月23日銀座のヤマハホールにて行われた「石川綾子ヴァイオリンコンサート『Let It Go』東京公演」の模様が収録されています。これまで、本格的なライブ録音の経験はありましたか?

石川:本格的なものは初めてです。初めてのライブ録音で、まさかハイレゾ録音になるとは思ってもみなかったので、本当に光栄です。クラシックコンサートホールでの生音のよさを届けたいという気持ちがすごくあったので、緊張して集中して演奏させていただきました。

―実際コンサートを拝見させていただきました。大変盛り上がりましたね。

石川:ありがとうございます。

―収録されているコンサートについてお聞かせください。

石川:今回はすばらしい響きのヤマハホールでやらせていただくこと、生音であることもあって、ヴァイオリンがソロメロディーを弾いて、ピアノ伴奏という、トラディショナルなクラシックのスタイルでお送りいたしました。
クラシックコンサートに来るのが初めての方にもお楽しみいただけるよう、『アナと雪の女王』より「Let It Go」や、ボカロの「千本桜」を入れたり、同時に、クラシック音楽が大好きな方にも楽しんでいただけるよう、プログラムを練りに練って演奏させていただきました。

―「THE Hi-Res CLASSIC CONCERT」に収録されている曲についてお話いただけますか?まずは「タンゴ ジェラシー」。こちらは、石川綾子さんのコンサートには欠かせない曲ですね。

石川:はい、そうですね。私にとって初めてのタンゴ音楽が、この「タンゴ ジェラシー」でした。初めて聞いたときに、「色気があって、なんてきれいな曲なのだろう」と感動してしまって、ぜひこの曲を習いたいと、自ら教授に持っていった曲です。タンゴ音楽は、クラシック音楽とは全然違ったので非常に難しくて。歴史なども含めいろいろ勉強してみたのですが、演奏するにあたりどうしても何か足りないと思い、ついにはタンゴダンスを習いに行きました。(笑)タンゴはリズムだ!このダンスを自ら体験しないと、タンゴというものを理解できないのではないかと思ったのです。1年間通い続けて、やっと弾けるかなと思えるようになり、何年かかけて演奏できるようになりました。私にとって非常に大切な曲で、クラシックコンサートのオープニングでよく演奏させていただいています。

―次に、ホルスト「ジュピター」

石川:「組曲『惑星』より“木星”」と聞くと、少し堅い感じがするのですが、日本では、「ジュピター」として広く親しまれていますよね。ですので、この曲をきかっけにより多くの方に「クラシック音楽って、いいな」と思っていただけたらと、自分なりにヴァイオリンバージョンにアレンジさせていただきました。

―チャイコフスキー「白鳥の湖」についてはいかがですか?

石川:チャイコフスキーというと、フルオーケストラのイメージがありますが、こちらもヴァイオリンバージョンにアレンジさせていただきました。皆様が知っていて耳が肥えていらっしゃる分、私たちもより一層気合を入れて、心に響くような「白鳥の湖」を演奏させていただきました。

―今回のアルバム限定収録に入っていますが、クラシックコンサートでは比較的めずらしいMCを積極的にされていますね。

石川:はい。通常クラシックコンサートでは、演奏者が出てきて、一礼して、演奏して、拍手をもらって、一礼して戻るというのが一般的なスタイルです。子どもの頃から「眠くならないヴァイオリンコンサート」が目標で、どうしたらそれができるかいつも考えていました。そのときに、曲の解説や自分のことなどを、お客様とコミュニケーションを取りながら話すことによって、もっとそれぞれの曲に興味を持っていただけるのではないかと思って、MCを入れています。

―実際、MCがあると聴く曲のイメージもずいぶん膨らみますね。

石川:ありがとうございます。クラシックというとどうしても難しいイメージを持たれると思います。そこを少し面白おかしく解説したり、物語風に伝えることによって、それぞれの曲がお客様の心にすっと入ってきたらよいなと思っています。

―ピアソラ「オブリビオン」についてお伺いできますか?

石川:情熱的な曲を書くピアソラが大好きです。彼はタンゴの巨匠で、「リベルタンゴ」など名曲がたくさんありますが、いろいろ聞いていく中で、この「オブリビオン」と出会い、「なんて切ない曲なのだろう。本当に素敵なメロディーだな」と、ものすごく魅かれました。それから原曲を基に自分なりに解釈をして、アレンジを加えてヴァイオリンバージョンを作らせていただきました。この曲は本当に大好きで、弾いていて涙を抑えることが難しいぐらい、自分も入り込んでしまう曲の一つです。

―ボカロの大ヒット曲「千本桜」。

石川:実はこの曲、「VOCALO CLASSIC」という3月に発売されたCDアルバムに入っているのですが、今回はコンサートらしく演奏したいと思い、勢いをつけてコンサートライブバージョンらしく、ものすごいテンポにしたら、ピアニスト安田さんも「やっぱり速くきた!」という感じになり、大変楽しく演奏させていただきました。

―「You Raise Me Up」についてはいかがでしょうか。

石川:何年も前に出会っていろいろなバージョンで弾き続けている、本当に大切で大好きな曲です。「あなたのおかげで、今の私がいます」という、感謝の気持ちが込められた曲なので、その場にいるお客様お一人お一人への感謝の気持ちを込めて、奥の列の最後の1人まで届くよう心を込めて演奏させていただいています。
またこの時、舞台を左右に歩いたのですが、それをハイレゾ音源で聞いたら本当に舞台を歩いている様子が音で伝わってきて非常に面白いと思いました。

―ハチャトリアン「剣の舞」。難曲ですね。

石川:超絶技巧の曲です。もともとオーケストラで演奏される曲ですが、後にハイフェッツという素晴らしいヴァイオリニストが、ピアノとヴァイオリンのためにアレンジし直したのです。いろいろなテクニックが散りばめられている曲なので、とても楽しく演奏できました。

―アンコール曲はピアソラ「リベルタンゴ」でしたね。

石川:アンコール曲は、なんと客席に下りて演奏をさせていただきました。「You Raise Me Up」も舞台上で歩きながら、お客様により近く演奏したいと思ったのですが、「リベルタンゴ」では、もうお客様の所まで行ってしまおう!と。どうしてもお礼を込めた演奏をしたくて。お客様の席おりてから、マイクから離れたため音が遠くなります。ハイレゾならではの音の動きもぜひ楽しんでください。


―ハイレゾライブ音源を聴かれた感想は?

石川:今回のハイレゾ収録を聞いてみると、私たち側、つまり舞台上から客席に向かって出している音を直接聞いているような感覚になりました。それが、歩いたことによって、より臨場感が味わえて、面白かったです。

―最後に、パガニーニ「24 のカプリース Op.1 第 24 番イ短調」。こちらはスタジオ録音ですね。

石川:パガニーニといえば、超絶技巧で「デビルズ・ヴァイオリニスト」と呼ばれているイタリアの作曲家です。1個のカプリースに1個の技術・技法が入っていて、24番は、1番から23番までの技法がすべて含まれている、総まとめのような曲と言われています。

―実際にレコーディングを終えられて、どうでしたか。

石川:この超絶技巧の曲を、本当に短期間で仕上げたので、私の中でも大変な挑戦をした月でした。毎日パガニーニのことで頭がいっぱいで、他のことを何も考えられなかったです。でも、今、この2014年に「カプリース24」を収録できて、本当によかったと思っています。しかも、ハイレゾで収録させていただいて。早く皆さんに聴いていただきたいです。

―収録曲を、実際にマスタリングで聞かれて、いかがでしたか?

石川:192kHz/24bitでレコーディングし、福山雅治さんや山下達郎さんのマスタリングで有名な原田さんにDSDにもしていただき、最高の音質でお届けできることになりました。
ハイレゾだからこそ伝わるライブ感。息遣いから歩く音、お客さんの咳、弓をこする音や、「すうっ」という息など、もう恥ずかしいくらい、音で映像が目に浮かぶくらいすべてが収録されていて、コンサート会場で聞く以上のものが聞こえるのではないでしょうか。


―今回の配信に合わせて、「24 のカプリース Op.1 第 24 番イ短調」PVも制作されたそうですね。

石川:(小さく拍手をしながら)ぱちぱちぱちぱち。光栄なことに、素晴らしい最高のチームが今回のPVを作ってくださいました。もともとパガニーニは、天才、技巧的なヴァイオリニストとして当時から有名でしたが、自分がヴァイオリンのために書いた譜面を残さないことでも有名でした。自分が書いた譜面を、絶対に誰にも見せない。「誰にも僕のテクニックを盗まれてはいけない」と。彼の曲を聴いた音楽家がその場で譜面を書き取るという逸話も残っています。それを、なんと今回ミュージックビデオで再現してくださったのです。私が弾いているパガニーニの24を、その場で他の方がばっと書き取ってくださっているというシーンをイメージして、ミュージックビデオを作ってくださいました。



―最後にメッセージをお願いします。

石川:最高の音質でお届けできる喜びを伝えたいです。スタジオ収録した音と、ライブ音源の両方が楽しめてしまうアルバムは、私の中でもすごく新鮮で光栄です。ぜひ皆様に聞いていただけましたらうれしいです。