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「サウンド&レコーディング・マガジン」連動企画「Premium Studio Live Vo.7」をDSD配信

2014/11/14
レコーディング・スタジオでの一発録りをライブとして公開し、DSD録音された音源をDSDファイルのまま配信するという「サウンド&レコーディング・マガジン」誌の紙面連動企画「Premium Studio Live」シリーズ。去る10月に約2年半のブランクを経て再開されたVol.7では、バッファロー・ドーターの大野由美子をリーダーに、AZUMA HITOMI、Neat's、Maika Leboutetという宅録女子3人が、アナログ・シンセサイザーのみを使用するシンセサイザー・カルテットとして登場。e-onkyo musicでは、その模様を収録した貴重な音源をDSDにて配信。


『Hello, Wendy!』
/大野由美子+AZUMA HITOMI+Neat's+Maika Leboutet




10月9日に約2年半ぶりの開催となった今回の「Premium Studio Live」。会場となったのは東京・麹町にある老舗レコーディング・スタジオ「サウンドイン」のAスタジオ。50人分の席が設けられたその視線の先には、本日の主役であるバッファロー・ドーター大野由美子、AZUMA HITOMI、Neat's、Maika Leboutetの4人のシンセサイザーが向い合せにセッティングされている。

今回収録が行われた「サウンドイン」Aスタジオ


今回のレコーディングでは、MOOG Minigoom(大野由美子)、DAVE SMITH INSTRUMENTS Mopho(AZUMA HITOMI)、KORG Σ(Neat's)、ROLAND Juno-60(Maika Leboutet)という個性的なアナログ・シンセを使用し4人のオリジナル曲と、それぞれがセレクトしたカバー曲、併せて10曲を収録。これまでのセッション主体の「Premium Studio Live」とは違い、譜面ありきでアンサンブルを完成させる形でのレコーディングとなった。

4人が使用したアナロ・グシンセ。一番手前に見えるのが「オンド・マルトノ」


大野由美子のヴォコーダーが登場する冒頭曲“Daisy Bell / A Bicycle Built for Two”は、1961年に初めてコンピューターにより歌われたことでも知られる1曲。そしてウェンディ・カルロスがMOOGでクラシックに挑んだ名盤『Switched on Bach』で取り上げたことでも知られる“ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048 第三楽章”、続くシンセ・ミュージックのひとつの到達点ともいえるクラフトワーク“Computer Love”と、アナログ・シンセへのオマージュを捧げた冒頭3曲の選曲には思わずニヤリと笑みがこぼれる。中でも今作イチの難曲である“ブランデンブルク協奏曲”は、何とも言えぬ緊張感とアンサンブルがバチッと決まった瞬間の高揚感は、ライブ一発録りでしか味わえない感覚を見事に捉えた1曲といえるだろう。

そして次に続くのは、サウンド&レコーディング・マガジン編集人、國崎氏のリクエストというバッファロー・ドーター“Great Five Lakes”。折り重なるフレーズと大野のソウルフルなMini Moogによるソロで、シンセのみでここまでできるかというくらいグル―ヴィーな仕上がりに。間違いなく本企画のシンセサイザー・カルテットの持ち味が最も具現化された1曲であろう。

今回の収録でメイン・レコーダーとして使用されたTASCAM「DA-3000」


やわらかい音色を主体にシンプルなアレンジが施されたNeat's“黄昏に雨”、最小限の音がリズミックに奏でられるMaika Leboutet“Jojo”。弦楽カルテット的なアレンジが印象的なAZUMA HITOMI“free”と、宅録女子3人のオリジナル曲は、どれも胸に沁みいるメロディで、その後に続く“風の谷のナウシカ”、“The Sound of Silence”と耳なじみのある曲まで、観客たちのジッと聴きいる姿が印象に残った。

そして本編ラストとなる“亡き王女のためのパヴァーヌ”では、大野由美子がシンセサイザーの原型とも呼ばれる楽器「オンド・マルトノ」を演奏。聴くものを一気に引き寄せる独特の音色と旋律で、ラストにふさわしい感動を与えた。尚、この「オンド・マルトノ」は浅草に居を構えるメーカー、ASADENが制作したものとの事。

非常に個性的な形をした「オンド・マルトノ」のスピーカーは別のブースに設置された


尚、今作の収録はTASCAM社製の話題のDSDレコーダー「DA-3000」にてDSD5.6MHzにて収録。アナログ・シンセの音も、ラインで録音したものと、別室にスピーカー・ルームを設け、そこで各シンセの音を1本ずつのスピーカーで再生しマイクで収録したものをミックスしたそう。また、「オンド・マルトノ」も独特な形状をした専用スピーカーがあり、それらも別のブースにセッティングしたものをマイクで収録する形で録音が行われた。ここで配信されるDSD音源は、そうして収録されたシンセの独特の質感も存分に味わえる見事な仕上がりとなっている。

AスタジオのコンソールはSSL XL9064K

客席から見て演者の奥にある部屋をセパレートしてスピーカールームとして使用した


尚、収録の様子や機材の詳細についてはリットーミュージックが発行する「サウンド&レコーディング・マガジン 2014年12月号」にて掲載のSPECIAL REPORTで確認できるので、是非チェックしてみては。