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ORESAMA 『ワンダーランドへようこそ/秘密』スペシャルインタヴュー

2019/01/03
ボーカルのぽんとギター&サウンドクリエイターの小島英也によるユニット。ORESAMA。レトロ感と最新のサウンドを交錯させつつもストレートにポップなサウンドでリスナーを確実に増やし広げている彼らが、長年音源にはせずに温めてきた2曲を配信限定シングルとしてリリース!その「ワンダーランドへようこそ/秘密」、そしてそれを携えてのワンマンライブシリーズ「ワンダーランドへようこそ」次回に向けてのお話を聞かせていただいた。
●Interview and text:高橋 敦
●Photo:e-onkyo music


『ワンダーランドへようこそ/秘密』/ORESAMA


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▼活動初期からの楽曲を音源化
-- 「ワンダーランドへようこそ/秘密」は、現在のレーベルからとしては初めての、アニメ作品とのタイアップではないシングルリリースになりますね。

ぽん:配信限定という形も初めてです。ワンマンライブシリーズ「ワンダーランドへようこそ」のタイトルになっている曲でもあり、出しどころを考えていたんですが、次のSTUDIO COASTでのライブに向けてという意味合いも込めてこのタイミングしかないんじゃないかって。

-- 2月2日のSTUDIO COASTでのライブというのは、お二人にとって「このタイミング」と捉えるほど大きなものなのですね。

ぽん:ワンマンでSTUDIO COASTに立ちたいという想いがあったので……

小島:そこに向けて「ワンダーランドへようこそ」を音源としてリリースすることで、STUDIO COAST、そして今後のワンマンライブの会場でみんなで楽しめる一曲になってくれるんじゃないかな、という期待もあってのこのタイミングです。




▼ワンダーランドへようこそ
-- 「ワンダーランドへようこそ」と「秘密」はどちらも以前からある楽曲とのことですね。

ぽん:「秘密」はいくつかのライブでセットリストに入れていたんですけど、「ワンダーランドへようこそ」は最近のライブでは演奏していない曲ですね。

-- 以前からのファンは嬉しいでしょうね。ぽんさんはツイートで、「ワンダーランドへようこそ」を「みんなとうたいながら踊りたい曲」と表現しています。歌詞も、比喩表現もありつつ、でも遠回しではなくストレートに「踊ろうよ!」と呼びかける内容です。

ぽん:しつこいくらい繰り返して呼びかけてますね。みんなの頭の中をぐるぐる回って一緒に歌えたらいいなと。

小島:でも言葉選びには少し陰もあって……「邪魔なかべは蹴り破って」「今だけは」という歌詞って現実の日常に思うところがあってこその表現じゃないですか。そこがぽんちゃんらしいなと思います。

ぽん:終わりがあることをわかった上で、だからこそ一緒に非日常を楽しもうというのがわたしの根底にあるので……それが滲み出ているんだと思います。

-- それぞれの日常があるからこそライブでは非日常に浸ってほしいという、ORESAMAのライブ観が歌詞にもサウンドにも詰まっている曲、と。

ぽん:本当にそうだと思います。この曲のこの歌詞を作ったときはそれをライブタイトルに掲げてみんなに呼びかけるような曲を作ろう!と意識して作ったわけではなくて、割とラフに作り始めたんです。でもそういう意識はしっかりあったんだなって。



-- その曲の今回のバージョンのポイントというと?

小島:僕は以前に作った曲をアレンジし直す場合はだいたい、音楽制作アプリのそのときのプロジェクトファイルから歌のデータだけを抜き出して、それを新しいプロジェクトファイルに流し込んでまっさらな状態から作り直します。ですがこの「ワンダーランドへようこそ」の場合は、ワンマンライブの歴史、僕らの成長してきた過程も含めたものにしたくて、当時のプロジェクトファイルを開いてそこに色を足したり変えるところは変えるというやり方にしました。過去の自分との共作のような感覚でもあります。例えば最後のサビで8ビートになる展開は今の自分はあまりやらない手法なのですが、そこも当時の自分の意図を汲み取ってその展開は引き継いで、それを今の自分が仕上げていきました。

ぽん:「秘密」も含めて、当時の自分たちも大事にしながら今の自分たちの作品にできたかなと思います。

小島:あのとき気に入って使っていたソフト音源を今は使っていなかったりもするので、それをダウンロードし直したりとか手間はかかりましたけど、その甲斐はありました。逆に大きく変えているのは低音部分、キックとベースですね。当時と今で低音周りは僕の作り方が大きく変わっているので。ベースはアナログシンセの低音感を入れることで今のORESAMAのローの感触にしています。

-- シンセではなくボーカルや楽器の録音素材で当時のものを生かした部分はありますか?

小島:ぽんちゃんの声の一部は当時のものを使っています。冒頭の「ワンダーランドへようこそ」のコーラスなどですね。新旧コラボといった狙いもあって。

-- 先ほどもお話に出たベースの感触が印象的でいて少し不思議というか、僕は前半がシンセベースで後半がエレクトリックベースかな?と推測していました。

小島:実は一曲を通してシンセベースとエレクトリックベースをミックスして使っています。例えば前半だと、シンセベースをメインにしつつ、ポジション移動のグリスやスラップのプルといったエレクトリックベースならではの成分がほしいところでエレクトリックベースのミックスボリュームを上げているという感じです。後半はスラップ奏法がメインですので、ほとんどエレクトリックベースしか聴こえないようなバランスですね。

-- ベースの演奏はどなたが?

小島:ライブにもサポートメンバーとして参加してもらっているミッツ(三浦光義さん)に弾いてもらっています。彼にはライブでシンセベースのフレーズも無理矢理エレクトリックベースで弾いてもらっていたりしているんです。それもあって、元々はシンセベースで組んであるフレーズをなぞってシンセベースの質感も生かしたまま生の質感も加えてくれるベーシストというと彼だなと。

-- ギターは、序盤は最小限のコンパクトなフレーズでリズムのアクセントを強調、曲が進むと全体の躍動感をリードするようなフレーズになってくる印象です。

小島:ギターは以前の自分の演奏は今の自分からするとさすがに……という感じでして(笑)、すべて弾き直しています。少ない音数で演奏しているところはドラムでいうとハイハットのような感覚で、リズムの一部としての単音カッティングですね。二番ではベースとユニゾンするフレーズなど、動きを増してみました。

-- あのユニゾンはライブで合わせるのが楽しそうですよね。最小限の音数で最大限に効果的なフレーズからはペトロールズのギタリスト、長岡亮介さんのようなセンスを感じました。もしかして長岡さんが「浮雲」の名前で参加していた時期の東京事変って直撃世代ですか?

小島:そうですね!僕は浮雲さんのギターが本当に好きでコピーもしていたので、そのセンスが感じられると言われるのは嬉しいです。

-- 学生の頃からものもこの最新シングルに息づいているわけですね。ギターは音色の面でも、カラフルで華やかなシンセサウンドとのバランスが見事です。小島さんはギターもご自身で調整したりモディファイしたりしていらっしゃいますよね。

小島:ストラトというギターが大好きでそればかり持っていていろいろいじっているんですけど、最近またピックアップというパーツを交換して、少し前はTall Gというタイプだったのを今はTall Dというタイプにしています。Tall Gだと3弦の音が強めに出る分、ストラトっぽさは出るんですけど、もっと軽やかな質感が欲しくて。

-- 小島さんのように3弦4弦を使った細かなカッティングが多いスタイルだとTall GかTall Dかというのはたしかにポイントになりそうです。

小島:そうなんですよね。1954年から55年スタイルのTall Dピックアップの方が、ほぼクリーントーンしか使わない僕のギタースタイルにはマッチして……この話、マニアックすぎます?

-- 一部には需要があると思います(笑)。音の抜けさせ具合なじませ具合といった微妙で絶妙な部分こそハイレゾ音源が力を発揮する部分でもあるので、その「Tall GではなくTall D」みたいなこだわりもリスナーの耳に届くのではないかなと。

小島:なるほど(笑)。





▼秘密
-- さて「秘密」ですが、こちらについてぽんさんは「自分でもドキッとしてしまう曲」と表現されていますね。

ぽん:今のサウンドで歌も撮り直して、そうして出来上がったものを聴くと、自分で聴いてもちょっとドキッとしてしまいます。この歌詞は小島くんから仮歌入りのデモを渡されたときに、こういう歌にしようとかどういう内容にしたいとか考えることなく、すっと映像や物語が浮かんできて、それをそのまま言葉にして曲に乗せていったという感覚のもので……

-- こういう歌詞がいいかな?それともこうかな?この言葉とこの言葉だとどっちが合うだろう?みたいな選択肢や迷いもなくすっと?

ぽん:この曲にはこの言葉だと浮かんでくる言葉をすっすっと乗せていきました。わたしもひとつのストーリーを観ている感覚で、詩を書いていて楽しかった覚えがあります。

-- サウンド面ではMiliのYamato Kasaiさんが編曲に参加というのも大きなポイントですよね。

ぽん:前回のシングル「ホトハシル」のミュージックビデオでいろんなクリエイターさんとコラボさせていただいたのが印象的で、楽曲の方でもコラボしてみたいとなったんです。そのなかで「Kasaiさんに『秘密』をアレンジしてもらいたい」という話になって、わたし個人的にもぜひ聴きたい!と思って。世界観が絶対合うと思いました。

小島:「秘密」は元からピアノとストリングスの曲だったので、ピアノとストリングスならKasaiさんしかいないよねと。ベースとドラム類は僕が作ったものを使ってもらって、ピアノとストリングスについてはもう「お任せします」という形でお願いしました。

-- ORESAMAの曲で他の方も加えた編曲というのはこれまでには?

ぽん:「流星ダンスフロア」がTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDさんとの共同編曲です。

小島:実は僕は基本的に、自分の曲を他の人にあまり触らせたくないんです。音作りもミックスエンジニアさんにお渡しする前に自分でかなり作り込んでいたりするほどで。それは今もあるんですけど、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDさんと一緒にやったことをきっかけに人とやることの楽しさも覚えた気がします。

-- 歌い方としてはAメロからのラップ的に言葉を置いていく歌い回しが印象的です。これは小島さんの仮歌の時点からですか?

小島:こんなニュアンスで仮歌を入れています。でもボーカルのレコーディングのときって最近いつもはボーカルのガイドメロディ、正確なメロディをピアノやシンセで鳴らしながら行うんですけど……

-- きっちり譜面通り、カラオケの採点機能で100点が出るようなメロディラインですね。

小島:それです。でも今回のそのAメロはガイドメロディを全く鳴らさなかったんです。だから最初の仮歌のニュアンスはある程度残っているとしても、ぽんちゃんの良いところや癖を特に生かした歌になっていると思います。そのためにマイクもかなり上の高い帯域まで録れるものを使って、ぽんちゃんのブレスや子音の使い方まで捉えるようにしました。

ぽん:わたしはもうこの2曲をまたレコーディングで歌わせていただけることが、とにかくすごく嬉しくて、楽しかったです。

-- そんなぽんさんの歌について小島さんは以前に「ぽんちゃん毎回歌録り早い」とツイートしていらっしゃいましたが、今回も?

小島:今回も早かったよね。

ぽん:早かったですね。

小島:特に「秘密」のような楽曲はいちばん最初に出てきた歌がいちばんいいケースがすごく多いんです。何回も何回も歌い直していくとやっぱり「直した歌」になってしまうので。そうやって作り込んだ歌が合う楽曲も多いんですけど、「秘密」は最初にぽんちゃんに好きに歌ってもらったテイクがいちばん表情が出ていました。だから今回も数テイクしか録ってないですね。

-- ニュアンスとか表情の面を重視して数回でこれだというテイクになるのは、その土台となる音程やリズムの正確さなどはどのテイクでも安定して良いということですよね。

小島:そうですね。ぽんちゃんはすごく歌の表現の仕方が上手いんですよ。例えば「ワンダーランドへようこそ」はリズムがものすごく重要な曲で、そこで「裏拍を感じて」「ちょっと跳ねて」とか伝えるとすぐにそれをやってくれる、そういうリズム感とか。そうやってリズムへの対応は自然にできるからこそニュアンスに集中できるんですよね。リズムばかり意識しながら歌うとニュアンスの部分が棒読みになってしまうと思うんです。でもぽんちゃんはリズムを把握しながらニュアンスと両立してくれるので、そのおかげで歌録りがすっと進み、良い歌が録れているんだと思います。

ぽん:ありがとうございます……(小声)





▼2月2日STUDIO COASTに向けて
-- さて改めてですが、この2曲を携えてのライブが控えています。

ぽん:「ワンダーランドへようこそ」をリリースしてから初のワンマンライブ「ワンダーランドへようこそ」ということで、これまでよりさらに深く濃厚なOREASAMAのワンダーランドへみなさんを連れていけたらなと思っています。演出もわたしたちのグルーヴも最高のものを共有したいです。

小島:音でいうと、音源を聴き込んできていただけるとライブでのまた違った音楽の形を楽しんでいただけると思います。

-- 新木場STUDIO COAST、音いいですよね。

小島:クラブとしても使われている会場ですので、キックの低音とかも綺麗に出ますよね。それも生かした音作りをしたいなと思っています。

-- 駅から会場までの道筋に他に娯楽施設はなく橋を渡って運河を超えて会場に到着するというあのロケーションも「非日常」感を高めてくれそうです。

ぽん:駅から出た瞬間に気持ちが出来上がり始める感じがありますよね。その先にはSTUDIO COASTしかないという。一度イベントで出演させていただいたことがあって、会場の音の鳴りも含めて「ここでワンマンできたらいいね」とずっと話していた会場なんです。

小島:気分が盛り上がる会場ですので本当に楽しみです。
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