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ジャズ・ディスク大賞受賞作品「エッセンシャル・エリントン」他、渋谷 毅の作品を中心としたYumi’s Alleyの名盤7作品をハイレゾ配信

2018/08/08
1991年から2007年までのあいだ各々テイチク、クラウン、MUZAK、その後ビデオアーツにまとめて発売されていたレーベル。FM放送、ライター、カメラマンとして日本のジャズ界に多大の貢献があった望月由美氏がプロデューサー。アート・アンサンブル・オブ・シカゴのジョゼフ・ジャーマンから始まり渋谷毅の諸作まで素晴らしい録音と個性的なアートワークで知られる。全作が長期にわたり廃盤、入手が困難で音楽配信も無い事から再発売が強く望まれていた。


【ライナーノーツより】
 望月由美さんというとてもチャーミングな女性がいる。若い頃からFMの番組企画やDJを担当したり、ジャズ専門誌へのライヴ・レポートの寄稿など、今でいうキャリア・ウーマン的な仕事をこなしてこられた方である。一方でカメラマンとしてのキャリアも長く、近年、ウェブ・マガジンに寄稿しているフォト・エッセイは55回を数え、最新号では1966年にサンケイホールで撮影されたトニー・ウィリアムスが掲載された。その前は1964年の新宿厚生年金会館におけるシェリー・マン、47回目は同じく1964年のローランド・カーク、撮影場所はヴィデオホールだが、これら撮影会場となった3箇所のホールはいずれも現存していない。

 1970年代〜80年代、日本のジャズ・シーンはいつになく活気を帯びていたが、「ピットイン」(新宿)や「アケタの店」(西荻窪)、「タロー」(新宿)を取材でまわるうち、黙々と自分の音楽の探求に励んでいるミュージシャンを活字で紹介するだけでは満足できず、自らレコード化の企画を立てレコード会社に売り込み、音楽そのものを世に出すことに喜びと使命を感じるようになった。ところが、我が子にも似た愛しささえ覚えるプロデュース作がメーカーの意向でカタログから消えたり、レーベル自体が消滅することを経験し、2004年、ついに自身のパーソナル・レーベル“Yumi’s Alley”を設立するに至る。

 レーベルのポリシーは、確かな技術と音色がきれいなこと、その上で個性、自分の世界を持っていること、制作者側としては、演奏者の持ち味を最大限引き出すユニットを考え、ジャズの生命である新鮮さを保つために最良の技術を駆使して録音すること。その、演奏者と心をひとつにし、精魂込めてつくりあげたアルバムが7作一挙にリイシューされることになった。これは、制作者、演奏者は言うに及ばず、ファンにとって最高のギフトと言えるだろう。どうぞ、じっくりと味わっていただきたい。

 ジョセフ・ジャーマンは記念すべき第1作、日本の精鋭との共演でジョセフの新しい音世界が深く静かに展開される。渋谷毅は望月さんが敬愛するミュージシャンで、彼の洗練されたセンスの良い人柄、音楽性に惚れ込みソロからユニットまで4作を制作、なかでも『エッセンシャル・エリントン』は念願叶って「日本ジャズ賞」に輝いた名作。林栄一は美しい音で楽器を鳴らしきる名手で、繊細で温かい人間性が滲み出る峰厚介とともに、それぞれ独自の音世界を披露している。
2018年6月 稲岡邦彌(JazzTokyo)