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【8月3日更新】 ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music

2018/08/03
衛星デジタル音楽放送ミュージックバードで、2017年1月にスタートした番組「ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music」と連動したコラム。音にこだわるオーディオ・ファン、ハイレゾに初トライしてみたいクラシック・ファンのために、「ハイレゾ女子」として活躍する音楽ライター・原典子が、e-onkyo musicから選りすぐりのタイトルをご紹介します。 文◎原典子
8月のテーマ:ライジングスターをキャッチせよ!

◆コンクールのライヴ音源をハイレゾで

 8月は『ライジングスターをキャッチせよ!』と題して、これから注目すべき若手アーティストをご紹介していきたい。
 クラシック音楽の世界では、ご存じのようにコンクールが才能ある新人発掘の場となっている。点数をつけて技術を競い合うコンクールには批判的な見方もあり、それも理解できるが、やはり世界的に活躍している若手の経歴を見ると、大きなコンクールでの優勝・入賞経験がデビューの「きっかけ」のひとつになっているケースが非常に多い。もちろん、コンクールという道を通らずに頭角を現す若手も存在することを書き加えておこう。

 インターネット時代になり、かのショパン国際ピアノコンクールも自宅で居ながらにしてライヴ中継を視聴できるようになった。ハイレゾ配信においても、CDのように収録時間に縛られることがないという点において、コンクールのライヴ音源はより配信に適したコンテンツだと言える。
 ということで、今回はまず最初に、2017年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのライヴ音源を2点お届けする。優勝者のソヌ・イェゴンと、第3位入賞ならびに新曲演奏賞、室内楽演奏賞受賞を受賞したダニエル・シュー。今年6月に来日したシューのリサイタルを浜離宮朝日ホールで聴いたが、まっすぐにどこまでも伸びていくような響きが印象的だった。
 コンクールのライヴ音源ではもうひとつ、昨年からスタートしたShigeru Kawai 国際ピアノコンクールのファイナルより、髙木竜馬の演奏をお届けする。すでに国際コンクールでの優勝・入賞を重ね、NHKアニメ『ピアノの森』では雨宮修平のピアノ演奏も担当している髙木は、間違いなくこれからの日本のホープとなる逸材だろう。

◆メジャー・デビュー作をいち早くチェック

 コンクールが登竜門だとは言っても、優秀な成績を収めたからといって即座に世界を股にかけた活躍が約束されているわけではない。メジャー・レーベルからのレコード・デビューともなると、新人に用意されている席はほんのわずか。コンクールでの成績だけではなく、人を惹きつけるスター性のようなものを兼ね備えていないと、そのチャンスを掴むのは難しいのではないか。最近メジャー・デビューした若手の顔ぶれを見ながら、そんなことを思った。
 ピアニストでは、ジュネーヴ国際音楽コンクールとブゾーニ国際ピアノコンクールの両コンクールを制したクロエ・ジヨン・ムンがシューマン・アルバムでドイツ・グラモフォンからデビューを果たした。クララ・ハスキル国際ピアノコンクールの覇者で、すでにMirareなどから数々のアルバムを発表しているアダム・ラルームのソニー・クラシカル専属契約第1弾アルバムは、山田和樹との共演によるブラームスのピアノ協奏曲集。こちらも注目だ。
 ヴァイオリニストでは、モントリオール国際音楽コンクールを制した辻彩奈がワーナークラシックスと世界契約を結び、決勝でのシベリウスのヴァイオリン協奏曲などを収めたライヴ・アルバムをリリースした。ウラディーミル・スピヴァコフ国際ヴァイオリン・コンクールの覇者で、ドイツ・グラモフォンからデビューしたダニエル・ロザコヴィッチの名も覚えておいた方がよいだろう。イヴリー・ギトリスやワレリー・ゲルギエフら巨匠たちの心を鷲掴みにし、早くも世界の一流オーケストラから引っ張りだことなっている大器である。

 放送では、ほかにもたくさんの若手のアルバムをご紹介しているが、ここでは最後に今いちばん気になるライジングスターをひとり挙げておきたい。かのテオドール・クルレンツィスの秘蔵っ子として話題となっているマキシム・エメリャニチェフ。クルレンツィスとムジカエテルナによるモーツァルトのダ・ポンテ・オペラの録音にフォルテピアノ奏者として参加、さらに指揮者としてもロジェストヴェンスキーに学び、モダン・オーケストラとバロック・オーケストラの両方を指揮するというユニークな若手。ボーダーレスな新世代の活躍には、いつも胸踊らされる。


【ライジングスターをキャッチせよ!】
<白熱のコンクール・ライヴ>

●『クライバーン・ゴールド~ヴァン・クライバーン・コンクール・ライヴ2017』
ソヌ・イェゴン(p)
録音:2017年/Decca




●『クライバーン・ブロンズ~ヴァン・クライバーン・コンクール・ライヴ2017』
ダニエル・シュー(p)
録音:2017年/Decca




●『第1回ShigeruKawai国際ピアノコンクール ファイナル ~ Ryoma TAKAGI』
髙木竜馬(p)
録音:2017年/河合楽器製作所





<コンクールの覇者たち>

●『クライバーン・ブロンズ~ヴァン・クライバーン・コンクール・ライヴ2017』
クロエ・ジヨン・ムン(p)
Deutsche Grammophon




●『ブラームス:ピアノ協奏曲集』
アダム・ラルーム(p)山田和樹指揮ベルリン放送交響楽団
録音:2017年/Sony Classical





<期待の大型新人>

●『バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番』
ダニエル・ロザコヴィッチ(vn)バイエルン放送交響楽団室内管弦楽団
録音:2017年/Deutsche Grammophon




『シベリウス:ヴァイオリン協奏曲~モントリオール国際音楽コンクールを制した辻彩奈の世界』
辻彩奈(vn)ジャンカルロ・ゲレロ指揮モントリオール交響楽団
録音:2016年/Warner Classics




●『Polychrome』
トビアス・フェルトマン(vn)ボリス・クズネゾフ(p)
録音:2016年/Warner Classics





<才色兼備の新星>

●『プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番 他』
リカ・ビビレイシュヴィリ(p)
録音:2017年/Farao Classics




●『モナ=飛鳥・オット:シューベルトとリストを弾く』
モナ=飛鳥・オット(p)
録音:2017年/Oehms Classics




●『サン=サーンス&オッフェンバック』
カミーユ・トマ(vc)ローランド・ビリャソン(T)ネマニャ・ラドゥロヴィチ(vn) 他
録音:2017年/Deutsche Grammophon





<要注目のヴァイオリニスト>

●『ティアンワ・ヤン:スペインを弾く~ラロ:スペイン交響曲、マネン:コンシェルト・エスパニョール』
ティアンワ・ヤン(vn)ダレル・アン指揮バルセロナ交響楽団、カタロニア国立管弦楽団
録音:2015年/Naxos




●『ストラヴィンスキー&シベリウス:ヴァイオリン協奏曲』
ジジョン・ワン(vn)トーマス・ザンデルリンク指揮フィルハーモニア管弦楽団
録音:2017年/Accentus Music




●『ボルグストレム&ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲』
エルドビョルク・ヘムシン(vn)オラリー・エルツ指揮ウィーン交響楽団
録音:2015年/BIS





<可能性は未知数>

●『ハイドン:協奏曲集』
リッカルド・ミナーシ(vn&指揮)マキシム・エメリャニチェフ(hc&指揮)イル・ポモ・ドーロ 他
録音:2014年/ERATO




●『スーパー・サクソフォン・デュオ 松下 洋×ニキータ・ズィミン』
松下洋、ニキータ・ズィミン(sax) 他
録音:キングレコード




●『藝大レーベル Vol.2~ 未来の名手たち~-Next Generation-その2』
辛川太一(hc)野間愛(Mz)佐々木美歌(S)山中麻鈴(p)
ワーナーミュージック・ジャパン









【バックナンバー】
<第1回> 違い歴然!ハイレゾで聴きたい名曲名盤
<第2回> ポスト・クラシカルが止まらない!
<第3回> 世界のこだわりレーベル探訪 その1!
<第4回> 春の声
<第5回> 確信犯的クラシック――革新的NEXT GENERATIONS
<第6回> 雨の日の音楽
<第7回> 世界のこだわりレーベル探訪 その2 ~自主レーベル篇
<第8回> エキゾでフォークなクラシック
<第9回> 来日オーケストラ&演奏家特集2017
<第10回>物語から聞こえる音楽
<第11回>
いま聴きたい弦楽器奏者たち
<第12回>
話題作&私的ベスト2017
<第13回>
神々の音楽
<第14回>
フランスの色と香り
<第15回>別れと旅立ちのクラシック
<第16回>4月のテーマ:アメリカのリズムとメロディ
<第16回>5月のテーマ:子供と音楽
<第17回>6月のテーマ:世界のこだわりレーベル探訪 その3 ~音の匠編
<第18回>7月のテーマ:先取りコンサート情報&来日アーティスト特集




※ミュージックバードとは
音楽にこだわる人の「高音質」音楽放送サービス。
本格派クラシック、ジャズをはじめ、歌謡・演歌、ロック、J-POPなど、 音楽ジャンルごとに専門チャンネルを放送。
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ミュージックバード カスタマーセンター TEL 03-3221-9000
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出演者:原典子(はら・のりこ) 音楽に関する雑誌や本の編集者・ライター。上智大学文学部新聞学科卒業。音楽之友社『レコード芸術』編集部、音楽出版社『CDジャーナル』副編集長を経て、現在はフリーランス。『intoxicate』『CDジャーナル』など音楽雑誌への執筆のほか、坂本龍一監修の音楽全集『commmons: schola』の編集を担当。鎌倉で子育てをしながら、「レゾナンス<鎌倉のひびき>コンサートシリーズ」の企画にも携わる。
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