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Tokyo Forest 24Hours ジョー奥田

2018/06/22
明治神宮
―それは大都会東京の真ん中に、奇跡のように創り上げられた人工の森―

本作は今までの私の作品とは大きく異なっている点がある。それは人工の音が沢山入っていることだ。 今までの自分の姿勢は、自然の音の美しさを切り取ることを基本とし、人工的な音は極力取り除くようにしてきた。しかし、今回のテーマは「都会の森」。大都会東京の真ん中に、人の手により奇跡のように創り上げられた人工の森。この奇跡の森の現代の様子を、ドキュメンタリーのようにあるがままを録ってみた。

『Tokyo Forest 24Hours』解説  Text:ジョー奥田


『Tokyo Forest 24Hours』/ジョー奥田


この森の中から外の都会を眺めたらどのような景色が見えるのか、 森の中の生き物達は、人の存在をどのような 音から認識しているのか、そして、200 年後にこの森がどのように変化していくのか、そんなことを想像しながら、 「都会の森の24 時間」を体験していただきたい。


1.Scene_1 ~ 10 年の時を超え~
最初のシーンは、2008 年に御苑にある清正井で収録した音源だ。時間は夜明け前。空の色 が少しづつ明るみを帯び始める頃。そしてゆっくりと夜が明け鳥達が鳴き始める。
10 年の時を超え、尚、絶えることのない水音。そして2017 年11 月3 日の朝を迎える。



2.Scene_2  06:00 ~12:00
御苑内にある茶室、隔雲亭の前に広がる南池。夜明けの冷たい空気、鯉が跳ね、鳥達が活動 を開始する。遠くの本殿から朝を知らせる太鼓の音が聞こえてくる。ここは東京都内最大の カラスの生息地。冬支度に忙しいカラスや小鳥達の声が響く。そして原宿駅から聞こえるホー ムの音。遠くを走る車の音。都会の森の朝。



3.Scene_3 12:00~18:00
原宿駅に山手線が入る。大祭の日の御苑は人出が多い。玉砂利を踏む足音、人の話し声、遠 くから聞こえる大祭を祝うお囃子の音、ヘリコプターが上空を飛び、パトカーのサイレンが 響く。この光景を、神宮の森の生き物達はどのように聞いているのだろう。日々、恐怖と戦ってい るのだろうか。それともそれも自分の生きる環境として順応しているのだろうか。夕刻が近 づき空は薄暗くなり、人の気配は無くなるが、森の外の人の生業は絶えることがない。



4.Scene_4 18:00~24:00
明治神宮は閉門となり、とっぷりと日が暮れ虫達が鳴き始め、小鳥達は巣に帰り眠りにつく。
一方、森の向こう側からは夜の都会の生活が、ますます活気を帯びて聞こえてくる。森の生 き物達は、この賑やかな都会の音を聞きながら安らぎを得るのだろうか。時折、木の実が池 に落ちる水音や、夜に活動する生き物の声が聞こえる。都会の静寂は沢山の音に溢れている。



5.Scene_5 00:00~06:00
真っ暗闇の中、池の畔に座り耳を澄ます。奇妙な生き物の声。都会の音は止むことはないが、 ひと時の静けさに身を委ねる。誰も経験することがない深夜の神宮の森。100 年後はいっ たいどんな音になっているのだろう。



6.Scene_6 ~ 永遠の時の流れへ ~
100年の時を絶えること無く流れ続ける清らかな水音。そして清正井にまた朝がやってくる。 この水音が永遠に途絶えること無く、200 年後の私達の子孫に届けられることを祈る。



【本作を聴く際の注意点】
*最初に聞くときは、必ずヘッドフォンを使用して下さい。
収録されている音はすべてバイノーラル録音されていますので、最大の3D 効果を得るにはヘッドフォンの使用をお薦めします。
*本作にはカラスが多く登場します。
明治神宮、そしてその隣の代々木公園は、都内最大のカラスの生息地です。
カラスの声は必ずしも美しい声ではないと感じる方が多いのですが、これもひとつの記録として、ありのままの東京の森として受け止めて下さい。
*本作には多くの人工音が入っています。
車、電車、バイク、工事の音、等など、多くの人工音が入っています。森の中から見た都会の風景を、森の小鳥になったような気持で聞 いて下さい。

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『Kilauea Forest 24Hours』/ジョー奥田



ジョー奥田

自然音録音家・音楽プロデューサー・音響空間プロデューサー。バイノーラルマイクとDSDレコーダーで、世界各地の自然音を録音する。その素材を元に、音楽制作で培った編集でストーリー性豊かな世界をクリエイトする。1980年に大阪歯科大学卒業後、ロサンゼルスに渡り音楽活動を開始する。1991年にはサザンオールスターズのカバーアルバムをソニーレコードより発売し、25万枚のセールスを記録。フィリップ・ベイリー(EW&F)、レオン・ラッセル、ロバータ・フラック、ピーボ・ブライソンなど、著名アーティストのプロデュースを行い、1998年から自然音楽家として活動開始する。現在、活動拠点を東京からハワイ州ハワイ島に移し、ボルケーノヴィレッジに移住。自宅には水道が来ていない代わりに、雨水を再利用したシステムを作っている。失われてゆく自然環境の実態に警鐘を鳴らし、そのことに無関心になっている人の心にさらなる危機感を持つ。時代の「目撃者」として、残された美しい自然を音の記録として、七代先の世代へと伝えてゆくことをライフワークとする。