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連載『厳選 太鼓判ハイレゾ音源はこれだ!』 第59回

2018/06/15
2013年から続くロングラン連載。根っからの音楽好きの筆者が、全てのプロモーションを排除し、“高音質なハイレゾ” をキーワードにお宝音源を探し続ける音源レビューの旅。実際に聴いて選び抜いた太鼓判ハイレゾ音源の数々は、バックナンバーにて全てチェック可能です。さて、今月はどんなハイレゾと出会うのでしょうか?
『Laidback2018』、『Call me』
~ OTOTEN 2018で、女性ボーカルお二人とトークイベント! ~



■ アーティストと一緒に聴く太鼓判ハイレゾ音源!

国内最大級のオーディオイベント、OTOTEN 2018が今週末開催と近づいてきました。なんと、そのOTOTEN 2018で、スペシャルなトークイベントを開催いたします!

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e-onkyo music presents「厳選 太鼓判ハイレゾ音源はこれだ!」トークイベント

日時:2018年6月16日(土)
 第1部 12:15-13:00(ゲスト:井筒香奈江)
 第2部 17:45-18:30(ゲスト:Ryu Miho)

場所:東京国際フォーラム ガラス棟5F G502、G504「オンキヨー&パイオニア株式会社 出展ブース」

ナビゲーター:西野 正和

※イベント参加希望者が多数の場合は入場を制限させていただく場合がございます。

OTOTEN 2018 オフィシャルサイト:http://www.oto10.jp/
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いつもは連載の文章でハイレゾ音源の魅力をお伝えしているのですが、やはり実際に音楽を聴いていただくのが一番です。そのため、太鼓判ハイレゾ音源の試聴イベントを定期的に開催しているのですが、中でも今回のOTOTEN 2018はスペシャルバージョン。アーティストの方と一緒に、太鼓判ハイレゾ音源を楽しもうという企画です。

実は、アーティストと一緒に音楽を聴くというのは、非常に興味深い現象が発生します。いつもと同じシステム、いつもと同じ音量で聴いているのに、アーティストと一緒に聴くと何故か深くまで音楽情報をキャッチできるんです。なんともオカルトな話ですよね。でも、私は今までに何度もその経験をしてきたので間違いなし。アーティストと音楽を聴くことの高揚感で、心のアンテナが感度アップするのでしょうか? 理論的には不明ですが、毎回確実に起こる現象ですので、ひとつのリスニング・テクニックと呼べると思います。

面白いのは、その経験がイベント後のオーディオ人生で確実に活用できるところ。一度でも深くキャッチできた音楽情報は、次からも同様の細部まで認識可能なのです。アーティストと聴いた音源は、今後のリファレンスとして大活躍してくれることでしょう。

そのためには、ひとつ重要な要素あります。それは、イベント会場での良いパフォーマンス。大きな会場で適当な音が鳴っているだけでは、せっかくのアーティストと一緒に聴くというスペシャルな体験が台無しです。

イベント当日の私のお仕事として、インタビュアーという大役がありますが、もう一つ大切な任務は良い音を鳴らすこと。できるだけ事前にセッティング時間をもらい、少しでも良いパフォーマンスで鳴らせるよう準備するつもりです。

イベントでは、ハイレゾ音源の持つ大いなる可能性を聴いていただきたい。自分のシステムで鳴っている同じハイレゾ音源は、本当に真の実力を出し切れているのか? 実は、もっと凄い音で鳴る可能性を太鼓判ハイレゾ音源は秘めているのではないか? そんなハイレゾ音源の音質確認を含め、特別な音楽時間を皆様と一緒に共有できると嬉しいです。


■ 音の波紋が美しい、新しいハイレゾ音源リファレンス登場!

イベントでご一緒するのは井筒香奈江さんとRyu Mihoさん。今回は改めてお二人の最新作をチェックし直しました。自信を持って太鼓判ハイレゾ音源としてお薦めさせていただきます。

まずはイベントお昼の部の井筒香奈江さん。

『Laidback2018』 井筒香奈江
192kHz/24bit 他
http://www.e-onkyo.com/music/album/lb050/

最大のポイントは、巨匠エンジニア 高田英男氏による一発録りだということ。一曲目のピアノがポロンと鳴った瞬間、「参りました~」と唸ってしまいました。高田さんの音・・・というよりも、高田さんにしか出せない音。そんな神々しいとも思えるくらいのサウンドステージが、再生ボタンを押した瞬間からノンストップで始まっていきます。

ボーカルが美しい。すぐ目の前に浮かんでいます。高田氏録音の独壇場なのは、歌とバックの演奏が、美しい波紋のように綺麗に揃って広がっていくところ。こんな音は世界的にも聴いたことがない! Made in JAPANのハイレゾ音源として、胸を張り世界へ輸出できる音質のクオリティーだと感じました。

音の波が何故こんなに美しく広がるのか? 歌と演奏をせーので同時演奏する一発録りという手法は、もちろんその秘技の一部だと思います。しかし、秘密はそれだけではなさそう。

そんなモヤモヤした気持ちを抱いていたら、なんとビッグニュースが飛び込んできました。その鍵を握るエンジニアの高田英男さんが、今回のトークイベントに緊急参戦決定! 歌った御本人である井筒香奈江さん、そして録った御本人である高田英男氏さんに、本作の秘密を直接聞けるチャンス到来です!

太鼓判ハイレゾ音源の連載ならではの視点で、深~く掘り下げてお二人にインタビューしたいと思います。ぜひイベント昼の部よりご参加ください!


■ ハイレゾ・クィーンのDSD11.2MHz一発録り!

イベント夕方の部はRyu Mihoさん。ハイレゾ・クィーンとの呼び声も高いRyu Mihoさんですが、意外にもオーディオイベントに登場するのは珍しいとのことです。もちろん最新作『Call me』は、太鼓判ハイレゾ音源と呼べる素晴らしい仕上がり!

『Call me』 Ryu Miho
96kHz/24bit
http://www.e-onkyo.com/music/album/nopa1038/

DSD11.2MHzで収録した意欲作で、編集無しの一発録りで挑んだとのこと。それはもう作品の仕上がりに、色濃く魅力的に反映されています。昨今のガチガチに編集されてピッチもリズムも完璧な足並みの音源に慣れている人にとっては、ドキドキが止まらないほどの音のゆらぎが感じられるのではないでしょうか?

エンジニアは、レコーディングが慎 秀範さん(NONEWYORKスタジオ)で、マスタリングが辻 裕行さん(キング関口台スタジオ)。慎さんは、この『Call me』収録曲の「Misty」で、2016年日本プロ音楽録音賞ハイレゾ部門新人賞を受賞されています。マスタリングの辻さんは、おそらく太鼓判ハイレゾ音源連載で最多登場ではないでしょうか。辻さんのお仕事の素晴らしさは、エンジニアの顔が全く見えてこないところ。力強い音、広い音場、クリアなサウンドといったマスタリングの特長が、良い意味で全く見えてきません。個性を出すよりも、音楽が望む方向に舵を切るようなマスタリング技術が光ります。逆にそういった音の作品に出会うと、「辻さんのマスタリングかな?」と感じるワケです。

ウィスパーヴォイスに話題が集中しがちなRyu Mihoさんですが、私が魅力を感じるのは歌のリズム。日本人離れしたリズム感が素晴らしいと思います。息継ぎひとつまで意識的にコントールされているのかなと感じました。直接インビューでは、そのあたりをお伺いしてみたいところです。

Ryu Mihoさん作品のトピックスとしては、DSD11.2MHz音源がe-onkyo独占先行配信されているということ。『Call me』からの一部の楽曲のみですが、これがまた素晴らしいサウンド。96kHz/24bit音源とDSD11.2MHz音源を比較すると、やはり鮮度の高さでDSD11.2MHzに軍配が上がります。それはDSD規格のほうが優れているという意味ではなく、本作がDSD11.2MHzで一発録音された後に、96kHz/24bitマスタリングで完成された作品であるというところが重要なポイントなのです。

ザ・ニアネス・オブ・ユー フィーチャリング 小沼ようすけ【DSD先行配信】
Ryu Miho
http://www.e-onkyo.com/music/album/nopa1210/

ミスティ フィーチャリング 宮本貴奈【DSD先行配信】
Ryu Miho
http://www.e-onkyo.com/music/album/nopa1211/


■ イベントレビューをご期待ください!

遠方でOTOTEN 2018イベントにご参加いただけない方も多いことでしょう。実際に鳴った音はお届けできませんが、イベントの詳細は後日この連載でレビューさせていただきますので、どうぞお楽しみに!

さぁ、会場でイイ音を出して、素敵なゲストとのトークを盛り上げ、皆様と楽しみたいと思います。イベントでお会いできるのを楽しみにしております!


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【バックナンバー】
<第1回>『メモリーズ・オブ・ビル・エヴァンス』 ~アナログマスターの音が、いよいよ我が家にやってきた!~
<第2回>『アイシテルの言葉/中嶋ユキノwith向谷倶楽部』 ~レコーディングの時間的制約がもたらした鮮度の高いサウンド~
<第3回>『ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」(1986)』 NHK交響楽団, 朝比奈隆 ~ハイレゾのタイムマシーンに乗って、アナログマスターが記憶する音楽の旅へ~
<第4回>『<COLEZO!>麻丘 めぐみ』 麻丘 めぐみ ~2013年度 太鼓判ハイレゾ音源の大賞はこれだ!~
<第5回>『ハンガリアン・ラプソディー』 ガボール・ザボ ~CTIレーベルのハイレゾ音源は、宝の山~
<第6回> 『Crossover The World』神保 彰 ~44.1kHz/24bitもハイレゾだ!~
<第7回>『そして太陽の光を』 笹川美和 ~アナログ一発録音&海外マスタリングによる心地よい質感~  スペシャル・インタビュー前編
<第8回>『そして太陽の光を』 笹川美和 ~アナログ一発録音&海外マスタリングによる心地よい質感~  スペシャル・インタビュー後編
<第9回>『MOVE』 上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト ~圧倒的ダイナミクスで記録された音楽エネルギー~
<第10回>『機動戦士ガンダムUC オリジナルサウンドトラック』 3作品 ~巨大モビルスーツを感じさせる、重厚ハイレゾサウンド~
<第12回>【前編】『LISTEN』 DSD trio, 井上鑑, 山木秀夫, 三沢またろう ~DSD音源の最高音質作品がついに誕生~
<第13回>【後編】『LISTEN』 DSD trio, 井上鑑, 山木秀夫, 三沢またろう ~DSD音源の最高音質作品がついに誕生~
<第14回>『ALFA MUSICレーベル』 ~ジャズのハイレゾなら、まずコレから。レーベルまるごと太鼓判!~
<第15回>『リー・リトナー・イン・リオ』 ~血沸き肉躍る、大御所たちの若き日のプレイ~
<第16回>『This Is Chris』ほか、一挙6タイトル ~音展イベントで鳴らした新選・太鼓判ハイレゾ音源~
<第17回>『yours ; Gift』 溝口肇 ~チェロが目の前に出現するような、リスナーとの絶妙な距離感~
<第18回>『天使のハープ』 西山まりえ ~音のひとつひとつが美しく磨き抜かれた匠の技に脱帽~
<第19回>『Groove Of Life』 神保彰 ~ロサンゼルス制作ハイレゾが再現する、神業ドラムのグルーヴ~
<第20回>『Carmen-Fantasie』 アンネ=ゾフィー・ムター ~女王ムターの妖艶なバイオリンの歌声に酔う~
<第21回>『アフロディジア』 マーカス・ミラー ~グルーヴと低音のチェックに最適な新リファレンス~
<第22回>『19 -Road to AMAZING WORLD-』 EXILE ~1dBを奥行再現に割いたマスタリングの成果~
<第23回>『マブイウタ』 宮良牧子 ~音楽の神様が微笑んだ、ミックスマスターそのものを聴く~
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<第25回>『はじめてのやのあきこ』矢野顕子 ~名匠・吉野金次氏によるピアノ弾き語り一発録りをハイレゾで聴く!~
<第26回>『リスト/反田恭平』、『We Get Requests』ほか、一挙5タイトル ~イイ音のハイレゾ音源が、今月は大漁ですよ!~
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<第30回>『Munity』、『JIMBO DE JIMBO 80's』 神保彰 ~喜びと楽しさに満ちたLA生まれのハイレゾ・サウンド!~
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<第52回>ピアノのライブを聴くなら、これだ!~ 強烈なグルーブと音楽エネルギーで、目の前にピアノが出現する ~/a>
<第53回>
『厳選! 太鼓判ハイレゾ音源ベストセレクション キングレコード ジャズ/フュージョン編』~ 試聴テストに最適なハイレゾ音源は、これだ! ~
<番外編>『厳選! 太鼓判ハイレゾ音源ベストセレクション キングレコード ジャズ/フュージョン編』を、イベントで実際に聴いてみた!
<第54回>最新ロサンゼルス録音ハイレゾを聴くなら、これだ! ~『22 South Bound』『23 West Bound』~
<第55回>『Franck, Poulenc & Strohl: Cello Sonatas』Edgar Moreau~ エドガー・モローのチェロに酔うなら、これだ! ~
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<第59回>『今ここにあるべき百戦錬磨~7人~』NOBU CAINE~日本最強の重厚グルーヴを聴くなら、これだ! ~


筆者プロフィール:

西野 正和(にしの まさかず) 3冊のオーディオ関連書籍『ミュージシャンも納得!リスニングオーディオ攻略本』、『音の名匠が愛するとっておきの名盤たち』、『すぐできる!新・最高音質セッティング術』(リットーミュージック刊)の著者。オーディオ・メーカー 株式会社レクスト代表。音楽制作にも深く関わり、制作側と再生側の両面より最高の音楽再現を追及する。自身のハイレゾ音源作品に『低音 played by D&B feat.EV』がある。『厳選! 太鼓判ハイレゾ音源ベストセレクション キングレコード ジャズ/フュージョン編』をプロデュース。