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木谷高明(ブシロード)・上松範康(Elements Garden)の両氏が語る Roseliaの記念すべき1stアルバム『Anfang』!!

2018/05/02
5月2日に1stアルバム「Anfang」を発売するRoselia(ロゼリア)。デビューシングルから3月に発売された最新シングルに加え、アルバム新録2曲を含めた全12曲が収録されたニューアルバム発売を前に、「BanG Dream!(バンドリ!)」プロジェクト全体の企画を手がける木谷高明氏と、音楽プロデューサー上松範康氏に、バンドリ!について、そしてRoseliaの魅力やアルバムについて語っていただきました!


『Anfang』/Roselia


「ライブでギターを弾いた瞬間会場がどよめいたんです。」

--まずは、そもそも「バンドリ!」というプロジェクトをスタートさせようと思ったきっかけを教えてください。

木谷 なんといっても、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル(以下:スクフェス)」の成功は大きいですね。この経験から、音楽を中心に据えたコンテンツの可能性に気が付いてしまったんです。「スクフェス」の前からミルキィホームズというプロジェクトをはじめていて、そちらでもライブなどを含めた多角的な展開を行っていたのですが、その時はまだ、そこまで大きな手応えは感じなかったんです。

--それが「スクフェス」を経て変化したと!?

木谷 はい、スマホひとつでゲームができて音楽も聴けて、アニメも見れるということに、大きな魅力を感じたんです。しかも、スマホってゲームだけでなく情報を見れたり写真を撮ったり、音楽コンテンツとの相性がとてもいいんですよ。それから、新しく音楽を中心に据えたコンテンツができないかなと考えていたんです。そんなときに、部下から「愛美さん(現Poppin'Party)がさいたまスーパーアリーナでのライブ(2014年2月開催の『THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!! 2014』)でギターを弾いた瞬間、会場がどよめいたんですよ。愛美さんにガールズバンドをやってもらいたいです!」という報告を受けて。そのとき、これだ!と思ったんです。ただ単にガールズバンドだけをやっても意味がないから、しっかりとしたコンテンツに育てていこうと思って、この日からプロジェクトを始動したんです。

--最初にテーマありきといいますか、これは面白そうだという発想からスタートしたのですね。

木谷 僕的にはキター!と思いましたね(笑) 高校に軽音部があり、実際に世間に沢山こういった子達がいるので、ガールズバンドはとてもリアリティがあると思ったんです。

「声優さんが楽器を弾くって聞いた瞬間、冷汗が…」

上松 声優プロダクションにも携わっている木谷さんとしては、声優さん達が次の段階に行かなければいけないというのは常に考えられていて、そのひとつとして声優さんが自ら楽器を弾くというコンセプトが見えていたんでしょうけど、最初にこのプロジェクトの概要を聞いたときに、音楽家として思わず“いやぁー難しいのでは(汗)”という言葉が出ちゃいました(笑)
でも、木谷さんならではの熱い情熱や想いがあり、そして何よりも可能性を感じているのだろうと考えなおし、詳しい話を聞くことにしたんです。

木谷 実際、声優がリアルでバンドをやろうとするのは、結構難しいことなのは確かです。当然、誰もが“無理だろう”と考えるので、最初はまわりに信じてもらえなかったんです。実際は当て振りなんでしょう、といった感じの反応で(笑)

上松 僕も言いました、あの当てて振るという言葉がありまして…そちらでいけば何とか…って(笑)

木谷 だからこそ、バンドリ!では積極的にライブ映像をYouTubeにアップしているんです。実際の映像を見てもらえると分かると思うのですが、どう見ても弾いているとしか思えないんです。実際に演奏していることは、大きなインパクトになっていますし説得力もある。結果として、いまは当て振りなんじゃ、なんていう人は全くいないです。100%いないです。だって、本当に弾いていますからね。


上松 しかも、結構うまいでしょ(笑) 彼女たち、実際に相当の時間を使って練習しているんです。その際、僕のほうからもいろいろなアドバイスや指導をさせてもらっているのですが、彼女たちの努力もあって、バンドリ!は更なる魅力あるコンテンツになっているのだと思います。

木谷 練習だけで、どれだけの時間とコストを割いているか(笑) ここまで“練習”に予算を使っている音楽コンテンツは、そうそうないと思いますよ。

上松 ですね。僕だったらそんな予算計上できません(笑) 最近わかってきたんですけど、音楽家の考え方だとこういうものは生まれない。専門家だとブレーキをかけてしまうような、一見無茶と思えるものからでないと、新しいものって生まれないんです。それは、木谷さんのプロジェクトに関わることで、大いに学び実感しました。

木谷 人選びも重要ですね。音楽全体をプロデュースできる上松さんのような存在は欠かせないと思いました。今回Elements Gardenにお願いできて、本当に良かったです。

上松 そういっていただけると、嬉しいです。

木谷 また、声優もベストな人材に関わってもらえることができたと思います。本来、声優はここまでバンド演奏に携わる必要はないわけです。本業は声の役者、演者なわけですから。しかし、彼女たちはちゃんとした演奏ができるようになりたいと思い、実際に努力し続けてくれました。そういった、こだわりを持つキャストと出会えたこともバンドリ!ならではの魅力に繋がっているのだと思います。

「世界に発信する楽曲」

--ちなみに、e-onkyo musicではRoseliaのシングルが総合100でトップを取っていました。

木谷 本当ですか?とても嬉しいです。

上松 ありがとうございます。実は、ハイレゾ版については最初からめちゃくちゃ意識していました。この先、絶対にハイレゾの時代になってくると思うんです。特に、バンドリ!はバンド曲がメインですから、音質が良くなればなるほど、活き活きとした演奏の様子が伝わりやすいんです。同時にヴォーカルなどの録音にもこだわったレコーディングを行いました。そこは自信があります!

--実際、活き活きとした演奏が楽しめます。

上松 マスター音源の良さにこだわった最大の理由は、「世界に」発信する作品だということですね。世界中に届けるとなると、メディアはCDメインではなくなってきます。ハイレゾなどの配信も重要ですし、時にアナログ盤を作りたいという話が上がるかもしれない。いつ、そんな話が出てきても良いように、とにかく良質なマスター音源作りを心がけました。そういったことまで想像して作り上げるのが、音楽プロデューサーとしての義務だなと思っています。

「嫌われてもいいと思って言いましたね」

―今回Roseliaの1stアルバムが発売されることとなりましたが、Poppin'Partyとの楽曲の作り分けなど、アルバム作り、楽曲作りのポイントを教えていただけますか?

上松 Roseliaの楽曲に関しては、ゲーム担当のスタッフと数多く話し合いをしています。木谷さんがいないところでも、何度かお会いして話を進めていたりします。

木谷 確かに、Roseliaはゲーム発のキャラクターなので、僕はあまり話し合いには入っていなかったりします。そこが、Poppin'Partyと違っている部分かもしれません。

上松 最初は、ゲーム担当のスタッフから「こうしたい」って来たものと、木谷さんが思い描き、ライブで実際に演奏“したい曲”とのずれがあったんです。確かに、ゲーム映えする曲とライブ映えする曲では違いますし、その曲が実際に演奏できるかどうかまで、普通は考えませんから。そこで木谷さんに「僕が打ち合わせしに行っていいですか?」という許可をもらって、最初のコンセプトを何度も何度も、嫌われてもいいからしつこいまでに提案しました。その結果としてRoseliaは、バンド系ロックのなかでもゴシック的なコンセプトをもつサウンドにまとめていくことになったんです。1stアルバム「Anfang」は、そういったRoseliaらしさがハッキリと分かる、Roseliaらしさの詰まったアルバムに仕上がっています。

木谷 どこに立っているかによって見え方とか意見って変わるんです。アニメ側の人、ライブ側の人、ゲーム側の人ってなると意見が変わるし、まったく一致することってないんです。ゲームでは出来ることがライブでは出来ないっていう可能性が出てきますので。
 また、楽器を弾かなきゃいけないっていう課題もありますので、それぞれのスタッフが、いろいろと苦労しています(笑) たとえばRoseliaのライブ衣装って、最初はかなりのゴシックロリータだったのですが、新しいのはかなり動きやすくなっていたりします。
 そうやって、ゲームやアニメとライブがひとつのものに重なっていくのが、バンドリ!の魅力と考えています。


「彼女たちが頑張ったからアルバムが出るんです。」

--このタイミングでアルバムが発売されるのに何か理由はありますか?

木谷 Roseliaのメンバーである今井リサ役の遠藤ゆりかさんが声優活動から引退されることとなり、せっかくだからとその前に発売したかったということはあります。とはいえ、もともとリリースは予定されていて、少し前倒しにしてもらった程度です。

上松 素直な表現をさせてもらうと、彼女たちが頑張ったからアルバム発売に辿りつくことができたんだと思います。彼女たちがひとつになって努力して作品に携わり、それを見たブシロードさんが“アルバムを出したい”という考えに至ったんです。彼女たちが頑張った結果が、このアルバムですので、是非多くの皆さんに聴いて欲しいですね。

「早く大きな会場でやりたい!」

--今後、やりたいことなどはありますか?

木谷 海外も考えていますが、大きな会場でライブを開催したいです。さいたまスーパーアリーナとか、最後は東京ドームまで行きたいです。先日、幕張で開催させてもらったので、もう大きな会場でライブを行える準備はできているんです。やりたいことはいっぱいあります!

上松 でも、ずっと終われない気もしています(笑) とても広がりのあるプロジェクトですし、まだ提案できていない、皆さんに楽しんでいただけることもたくさんありますし。

木谷 確かに“最後に東京ドーム”っていい方は良くないですね。“途中経過として東京ドームも”と言い直しましょう(笑) 欲をいうとキリがないですが、それだけ楽しさを持ち合わせている、可能性のあるコンテンツだと感じています。今後も様々な展開を進めていきますので、是非ご期待下さい!

(インタビュー:野村ケンジ/テキスト:川村彩花)