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“ハイレゾ・クイーン”Suaraが放つ7作目のニュー・アルバム『星灯』が発売に!

2018/04/06
2005年にゲーム主題歌「睡蓮 −あまねく花−」でデビューして以来、一貫してアニメやゲーム音楽のシーンで活動し続け、音質にこだわった作品のリリースでも知られる歌手のSuaraさん。「いろんなジャンルや世界観を歌わせてもらえるアニソン・シンガーを、いつも新鮮な気持ちで楽しんでいます」−−−そう語るSuaraさんに、ニュー・アルバム『星灯』(ひかり)や最新マキシ・シングル「君だけの旅路 Re:boot」(4月25日配信予定)についてじっくりと語っていただきました。

インタビュー・文◎北村昌美 撮影◎山本 昇


『星灯』Suara


■アルバム・タイトルに込めた意味

 Suaraの7枚目となるアルバム『星灯』が発売された。全14曲の内、10曲はTVアニメやゲーム関連などの既発曲で、残りの4曲が本作のために書き下ろされた新曲となる。彼女は以前からCDに加え、SACDやハイレゾ・ファイルといった高品位フォーマットの作品を積極的にリリースしてきた“ハイレゾ・クイーン”だ。ここではそんな彼女に新作のアルバム・コンセプトから、タイアップ曲に向き合う歌い手としてのスタンス、曲作りにおける発露など興味の尽きない話をうかがった。

―まずは『星灯』(ひかり)のアルバム・コンセプトから教えてください。

Suara 新作にはアニメ『うたわれるもの』にまつわる曲が6曲収められています。そのアニメの世界観をファンの皆さんにきちんと伝えながら、アルバム・タイトルに冠するのに一番相応しいのは何かと考え、「星灯」を選びました。「星」(ほし)の「灯」(ともしび)と書いて「ひかり」と読むと同時に、これから先の私の音楽活動の指針になるようなネーミングだと思ったんです。

―ダブル・ミーニングになっているのですね。ところで、アルバム収録曲の曲順はどのように決めたのですか?

Suara 曲の並びと構成はいつも、レコーディングを担当してくれているディレクターと相談して決めています。以前一度だけ、自分でこうと決めた曲順でアルバムを発表したことがあるんです。でも、リリース後に聴いたとき、やっぱりディレクターが提案してくれていた曲順の方が心地よかったんじゃないかと思うようになりました。自分の意見を通すのもいいけど、私のことを常に客観的に見守ってくれているディレクターの意向を尊重すべきだったと反省したんです……。ディレクターはファンの気持ちをきちんと踏まえた上で、CDの構成はもちろんのこと、ライヴの曲順も決めてくれているんだと気付かされました。そのように考えるようになって、最近のアルバムの曲の並びはほぼディレクターにお任せしています。私はあくまでSuaraという歌い手であり、Suaraという世界観を最大限に生かすためには私を知り尽くしているディレクターに委ねるべきだと考えるようになりました。お互いに深い信頼関係があるからこそ、そう思えるのだと感じます。


 「不安定な神様」「天かける星」「ユメカウツツカ」「星降る空仰ぎ見て」「麗しき世界」「星灯」の6曲は、TVアニメおよびゲーム『うたわれるもの』にまつわる曲としてお馴染みだろう。ディレクターに絶大なる信頼を寄せていることがわかるコメントは、これまでの彼女の幅広い活動と歌手としてのスタンスを表している。とりわけ、アニメーションが描くさまざまな物語の世界に寄り添った歌の数々を歌いこなすアニソン・シンガーとして、自分の色に染め過ぎることなく、アニメの世界をより魅力的に広めるパフォーマンスに徹してきた。そのスタンスはまさにプロフェッショナルの仕事といえる。


■作詞・作曲家/アレンジャーとの共同作業

―本作には小林俊太郎、衣笠道雄、松岡純也、半田麻里子といった4人のアレンジャーが起用されています。歌い手から見て、それぞれのアレンジャーが思い描いているイメージをどのように捉えていますか?

Suara 私が歌うタイアップ曲の場合、アレンジャーの思い描いているイメージで曲が作られることはほとんどありません。タイアップ作品の世界観やプロデューサーのイメージの方が大事にされていますね。ただ、アルバムのための新曲は私がリクエストして曲を作ってもらったり、私の思い描く世界観をアレンジャーの方が聞いてくださるので、どちらかと言えば、イメージや世界観が先にできていることの方が多いですね。どちらにしてもアレンジャーのカラーを踏まえて編曲の依頼をするので、それぞれの個性はいつも出ていると思いますし、歌う時も自然に合わせているかもしれません。
そうした中で、今回は初めてご一緒したアレンジャーさん、半田さんが作った「悲しみの底」を歌わせていただきました。この曲はスタッフからデモを聴かせていただいて歌うことが決まったんです。すでにデモの段階で、半田さん自身の歌も入っており、浮遊感のある独特の世界観が出来上がっていたので、そのままのアレンジで歌うことになりました。半田さんの楽曲との出会いで、また新しい一面を引き出してもらえた気がします。


 Suaraのアーティストとしてのバックボーンには作曲家/作詞家、アレンジャーに加え、音のサウンド・バランスを調整するミキシング・エンジニアの存在がある。先にも触れたアニメ『うたわれるもの』関連の6曲は海外のアニメ分野でも世界的に知られるデヴィッド・ボウチャーを起用し、残り8曲はディレクターがミキシング・エンジニアも兼任している。


―“巽明子”の名義で、「木漏れ日の中」「Merry Christmas」「耳を澄ませば」の3曲で作詞を、「Pride」では作曲をされていますね。

Suara はい。アルバムでは作曲でも一つは足跡を残そうと心がけていて、今回はロック・ナンバーを作りました。その「Pride」の歌詞は、“葛藤”をテーマに事務所の後輩の上原れなちゃんに書いてもらいました。すごく共感を呼ぶ歌詞で、私自身もお気に入りの一曲です。「Merry Christmas」は、大阪・梅田で開催されている「スノーマンフェス」のために2014年に書いたクリスマス・ソングなんです。近年は恒例のように年の瀬になるとこの曲を歌っています。「耳を澄ませば」は東京・中野で開催されている「ヘッドフォン祭」のために昨年書いた曲です。元々アルバム曲としてメロディが出来上がっていた曲に、ヘッドフォンというキーワードと会場の中野の景色をイメージして歌詞を書かせてもらいました。そして、「木漏れ日の中」は一年前に亡くなった祖母との思い出を中心に書きました。もう二度と祖母には会えないという喪失感と感謝の気持ちを込めて……。

「新作では、皆さんがより高音質で聴いてくださるこだわりにお応えできるよう、Suaraの声というものを大事に、いろんな表情を出せたかなと思っています。1曲1曲の声の違いも楽しんでいただけたら嬉しいですね」(Suaraさん)


■マキシ・シングル「君だけの旅路 Re:boot」について

―オリジナル曲も、周辺の人達のつながりやそれぞれの想いが詰まっていて、繰り返し聴いてしまいそうです。そして、4月25日には『うたわれるもの 散りゆく者への子守歌』の主題歌「君だけの旅路 Re:boot」を含むマキシ・シングルがリリースされますね。

Suara 「君だけの旅路 Re:boot」は、ゲームの再始<>動に合わせてオリジナルの「君だけの旅路」のトラックをリアレンジしています。リズム隊を差し替えたり、新しく音色を足したり、アレンジを施したもので、歌も再レコーディングしました。オリジナルの発表から12年を経て、シングルとしては初のリリースとなります。“リブート”の名に恥じぬよう、気合いを入れて臨みました(笑)。こちらも、当時の歌い方と聴き比べていただいても面白いのではないかと思います。オリジナル版はバックの音数が少なめで空間が多く、緩やかな波に乗ってゆったりとした母なる大地のような温かさを意識した歌い方でした。今回は、リアレンジによって音に派手さが加わっているので歌もそれに合わせて変えていて、ライヴ感も意識して歌っています。ライヴに来てくださっている方には、こちらのほうが馴染みのある歌い方と感じられるかもしれませんね。

■SACDやハイレゾを聴くようになって変わったこと

―ところで、普段はどんなふうに音楽を楽しんでいるんですか?

Suara 移動中はイヤフォンで音楽に接することが大半です。自宅では2年ほど前から、あるオーディオ評論家の方の推薦もあって、iFiオーディオの真空管式ステレオRetro Stereo+LS3.5にアナログレコード・プレーヤーのオンキヨーCP-1050を組み合わせて使っています。


 iFiオーディオのRetro Stereo+LS3.5は外観のデザインやアンプ設計こそオールド・スタイルながら、中身は最新のハイレゾ・フォーマットにも対応したシステムとして知られる。オンキヨーのアナログレコード・プレーヤーCP-1050は2016年に自身の『うたわれるもの 偽りの仮面&二人の白星 歌集』を2枚組LPで発表した時に導入したそう。またSuaraは2枚目のアルバム『夢路』からSACDを併売するなど、音質に気を配った作品を数多くリリースしてきた実績がある。


Suara 当初、SACDやハイレゾ・ファイルは、すっぴんの自分をさらけ出すようなイメージを抱いていたんです。恥ずかしいような、ちょっと怖いような気持ちの方が勝っていて。けれども、日常的にSACDやハイレゾを聴くようになって、今はリスナーの皆さんが臨場感たっぷりと私の歌を楽しんでもらえることに喜びを感じています。皆さんが環境を整えたりしてこだわりを持って私の歌を聴いてくれているので、私も自分の声や歌を届けることにもっと丁寧に向き合うべきだ、と思うようになりました。そんなふうに考えるようになり、前よりも一曲一曲を大切に捉え、レコーディングの際も、より緊張感をもって取り組めるように変わりました。一期一会ではないですが、目の前にある歌=仕事に丁寧に向き合うことが大切だと考えるようになったんです。ハイレゾ・ファイルを熱心に聴いてくださっているリスナーやファンの皆さんに満足してもらえるよう、これからも精魂込めて歌っていきたいと思います。


 彼女の新作『星灯』は、デヴィッド・ボウチャーがミックスした6曲をゲートウェイ・スタジオのボブ・ラドウィッグがプリ・マスタリングを施し、いっぽうの日本側で録音制作された8曲はソニー・ミュージックスタジオ東京の鈴木浩二が総合的な音調整を担当している。現在、SACDに関してはオーサリング作業を含め鈴木浩二の右に出る者はいないといわれているほど、彼の信頼度は厚い。Suaraの歌声を知り尽くしたディレクターを筆頭に周辺スタッフ達に支えられたアルバムは、繰り返し聴きたくなるサウンド・マジックが潜む。ハイレゾ・ファイルなら、“ハイレゾ・クイーン”の存在感がより身近に感じられるに違いない。


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