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「シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽」待望のハイレゾ配信がスタート

2018/03/20
2017年渋谷オーチャードホールで大盛況に開催された、「シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽」の待望のハイレゾ配信がスタート。 総監督・鷺巣詩郎のクリエイティブのもと、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団、合唱は新国立劇場合唱団が担当、指揮を天野正道が務めました。また、ここでは鷺巣詩郎によるコメントもご紹介。


『シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽』
/鷺巣詩郎, 天野正道, 東京フィルハーモニー交響楽団


2017年渋谷オーチャードホールで大盛況に開催された、「シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽」の待望のハイレゾ配信がスタート。総監督・鷺巣詩郎のクリエイティブのもと、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団、合唱は新国立劇場合唱団が担当、指揮を天野正道が務めました。「シン・ゴジラ」からは『ゴジラのテーマ』や映画のクライマックスで流れた『宇宙戦争』、「エヴァンゲリオン」からは『EM20シリーズ』『THE BEAST』などがフルオーケストラで演奏。特別ゲストとして『残酷な天使のテーゼ』を歌う高橋洋子と、伊福部昭のコーナーでは和田薫も登場、話題となりました。


◆ようこそ、ゴジエヴァ交響楽へ!!



 40年間ずっと、よく見る夢がある。スペクタクル巨編ではないがディザスターもので、設定はいつも同 じライヴ本番中のステージ上。登場人物は自分のバンド10数名と観客だ。
 あらすじはこう。開演時間なのに譜面台の上には何もなく、メンバーが口々に「鷺巣、譜面は?」と催促する。 お客さんは待ちわび、我々を凝視する。しかし、こともあろうか鷺巣は、なんとステージ上でまだ譜面 を書いている。本番がはじまろうというのに。待てよ、そんなはずはない。数日前に仕上げたはずだ。 リハだってやったじゃないか……皆そうだろ、あの時すでに譜面は配っただろ、何度も練習したはずだろ!? と反論したいのに声がでない。なのに「早く書けよ、鷺巣!」と、さらにメンバーから詰め寄られ、絶叫 して目が醒める……。

 われわれ作編曲家は、常に譜面を書かねばならぬ「宿題人生」。しまいには、こうして夢の中でまで書 かされる。

 しかし、ものは考えようだ。いったん「運さだめ命」と自分に言いきかせたら、そのとたん楽になった。つまり逆に、 譜面さえ書いてれば「それだけでよい」と思えるようになったのだ。もう同じ夢を見ても絶叫しない。「ステー ジ上でも書いてりゃイイじゃん」ってなもんだ。もしかしたら一人前の譜面書きになれた証あかしかもしれない。 いつ頃だったか……それは明かさずにおこう。

 その境地になると譜面を書くのが面白くてたまらず、書かずにはいられなくなる。で、また常に書い ているわけだが(笑)。
 20年前の「エヴァ交響楽」4日間の公演中も、毎朝リハ中に、鷺巣はステージ上で譜面を書き直し続け、 まわりのスタッフをあきれさせた。こうしてプログラム序文を書いている今も、当たり前のように本公 演の譜面を書き続けている。となればプログラムのしめきりが先に来てしまう。『新ヱヴァ: Q Music from~』や『シン・ゴジラ音楽集』もそう。最後の最後まで音楽を細かく直してるものだから、CD付録 のライナーノーツのしめきりが先に来てしまうのは、まったく同じだ。
 これでは「ようこそ!!」ではなく、今から本番までの2週間で「まだプログラム変更はあります!」とエ クスキューズしてるようなものではないか。ごめんなさい……あ、言っちゃった。

 でもまあ、せっかく譜面を書いている最中でもあるし、少しだけ実況中継しておこう。
 この『ゴジエヴァ交響楽』(庵野監督の会社のスタッフがこう呼んだのが気に入った)に書いているのは、 以下「4パターン」の譜面である。

・第一に「横線に忠実な曲」
 サイズがCDもしくは劇伴使用尺と同じ。
・第二に「縦線に忠実な曲」
 楽器編成が録音時と同じ。
・第三に「縦横ともに忠実な曲」
 第一第二どちらも同じ。いわゆる完コピ。
・第四に「縦横ナナメとも自由な曲」
 特製アレンジ、秘密の工夫などが施されている。

 これだけ豪華な面々が、これだけ大きな編成で奏でるのだ。一から四まで、いずれにせよ非常に意義 あるチャレンジ、かつ最高のエンタテインメントになって然しかるるべし。その願いをこめ、ずっと譜面を書い ている。もちろん、すべてが「書き下ろし」であることは言うまでもない。そう、このプログラムも。

 皆様、わざわざのご来場、誠にありがとうございます。そして、いつも応援していただき、感謝の気 持ちでいっぱいです。音楽における「ゴジラ対エヴァの戦い、さらに融合」を、どうか最後までお楽しみ ください!!

2017年 弥生 鷺巣詩郎
初出:コンサート当日に発売されたプログラムより一部抜粋






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